ウィルバー哲学に思う

「統合」の哲人ケン・ウィルバーを中心に、仏教心理学的視点を取り入れたマインドフルネス、第三世代の認知行動療法ACT、アドラー、ポジティブ心理学など、複雑系や脳科学的なアプローチも加味し、「生命の躍動」の探求、心理哲学的な関心について綴っています。

ペインボディ

from 原初の回避 to 全景画(Total Painting)

「原初の回避」については、『インテグラル理論を体感する Integral Meditation』(ケン・ウィルバー著)にこうある。 けれどもよく観察してみると、私たちはあまりにも多くの場合、何らかのものを「見たくない」と感じています。… ちょっとした不快な身体感覚…

『寛容論』を実践する、すなわち脱ペインボディ。

昨年1月のパリのテロの後、フランスの思想家ヴォルテール(1694-1778)の著書である『寛容論』が10万部のベストセラーになったといいます。 今月の2日に放送された『100分de平和論』で作家の高橋源一郎さんが取り上げた名著です。 トゥールーズのプロテスタ…

心の形成物≒ペインボディ≒認知的フュージョン

五蘊(ごうん)、とくにその第4である「心の形成物」(mental formation)の相互依存性ということを考えているうちに、ティクナット・ハン師のいう「心の形成物」とエックハルト・トールのいう「ペインボディ」、そしてさらにACT(アクセプタンス&コミットメ…

どれほどそれを受け流せるのか

最近わたくしごとに関するさまざまな物事が大きく動いているおかげで、外部の関係者とのあいだで葛藤が生じる。 思いも寄らぬ一撃であったり、思わぬ人からの不意打ちのような予期せぬ形でそれはやってくる。 このことをどう考えればいいのだろうか?と昨日…

五蘊その2「受」―Feeling

今回は五蘊の二つ目であるfeeling について、Ayya Khemaの“Being Nobody, Going Nowhere”で解説されている部分と、Thich Nhat Hanh が“The heart of the Buddha’s Teaching”で解説されている部分をあわせて見ていきたいと思います。 (以下引用拙訳) 五蘊の…

ペインボディに餌をやらない、ただしシャドウに留意して

“Eckhart Tolle & Sri Aurobindo”からトーレ独特の表現でもある「ペインボディ」について解説された記述がありましたので紹介させて頂きます。(以下引用) The Pain Body (P18〜) 私が最も価値があることを見出したエックハルトの心理学的洞察のいくつか…

本音とペインボディの混乱

本音とは本心から出た言葉であり、本音を漏らすとか本音を吐くというように、従来はネガティブな文脈で使われることが多かったように思います。しかしながら最近は「本音で語ろう!」や「本音トーク」というように、包み隠さず本心を出すということで、それ…

自分の見解に同一化しない

目撃者にとどまり、自分のエゴをみることは頭で思うほど簡単ではありません。 特に、対人関係のなかで生じ、大きな感情が揺れ動くようなケースではそのエゴが始動を始めたところに、すかさず気づきを入れることはなかなかできないものです。 トーレのニュー…

光明遍照と錬金術

お経の時に出てきます 光明遍照十方世界 という言葉が以前から気になっていました。 調べてみると「観無量寿経の一節。 このあとに『念仏衆生 摂取不捨』と続く。 阿弥陀仏の光明は全世界を遍く照らし、 念仏を唱える衆生を残らず救い取るの意」とあります。…