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ウィルバー哲学に思う

「統合」の哲人ケン・ウィルバーにはじまり、仏教心理学的視点を取り入れたマインドフルネス、第三世代の認知行動療法ACT、そして近年ブームのアドラーまで、脳科学的なアプローチも加味し、心理哲学的な関心について綴っています。

マインドフルネス

いつも「意識を意識しておく」

コトバで表現すると何を言っているのか分からないようなことですが、この感じを何とか是非とも書き留めておきたいと思い、書いています。 日常のなかで、いつも、四六時中、どんな時でも、なんと言っても、大切なのは、「意識を意識しておく」ことだというこ…

12因縁を断ち切るマインドフルネス

最近、身の回りで起こっていることが「過去にこういうことが起こったので、今になってこうなってしまった」というようなストーリーで解釈されることがままあり、その度に、心の奥で、そうではあるが、いやいや違う、そうではない、と感じていました。 それが…

生きかた「知縁」カフェ第3回についてのお知らせ

今年の9月25日に出版された3人の鼎談からなる『〈仏教3.0〉を哲学する』がとても面白いです!! このことを受けて、第3回の生きかた「知縁」カフェの3つ目のテーマとして、以下の内容を書き添えました。 「観察者としての自己」を取り上げ、藤田一照氏、永井…

Meditationの測定?

高額なEEG(脳波、Electroencephalogram)測定器でなくとも何とか参考になる程度でもいいからマインドフルネス瞑想の状態を確かめたいと思い、MUSEというヘッドバンド方式の簡易測定器を購入して試行中です。 スマートホンにアプリをダウンロードして、額に…

アテンションのスタイルを自在に選択する

前回のブログでフェーミ博士の唱えるアテンションのスタイル「ディフューズ/オブジェクティブ」「ディフューズ/イマースト」とあわせて、次回に「前景と背景を等しく見る」を取り上げる、と書きましたが、それに先立ちまして、フェーミ博士の唱える「オープ…

状況とシンクロする、全体に整合する

マイケル・キャロルの『THE MINDFUL LEADER』を読んでいて、特に注目したのはPART3に出てくる「環境とシンクロする」あるいは「状況とシンクロする」という言葉です。 言うまでもなくユングの唱えたシンクロニシティの意味合いをも含んだ言葉であると考えら…

無所住心で囚われを捨てる

NHKスペシャルの「キラーストレス」とEテレの「マインドフルネス」が放送された直後に出版された熊野宏昭さんの「実践マインドフルネス」に、脱フュージョンの次のステップとして、「場としての自己=注意を無数に分散する」という実践が紹介されています。 …

第4回生きかた「知縁」カフェ

脳科学の視点を取り入れ、ウィルバー哲学、マインドフルネス、ACT、アドラー心理学などを横断的に学ぶ勉強会です。ソーシャルビジネスへの展開も視野に入れ、交流します。 【生きかた「知縁」カフェ第4回 内容】 ①今回のテーマ:最近のブログから「人類進化…

国立がんセンターでACT外来が!(生きかた「知縁」カフェ第1回のPR)

国立がんセンターに「ACT外来」ができています。これは正直驚きました。しかも保険診療です。www.ncc.go.jp 内容を以下に転載させていただきます。 ACT外来では、ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)を通して、(1)がん体験に伴って生じる悩みと…

マインドフルネス・ムーブメントが日本に?

2016年8月5日発行の精神療法~特集マインドフルネスを考える、実践する~が本日届きました。 寄稿されている先生方のうち、名前を存じている方も多く、書籍を読んだり、勉強会で取り上げたり、直接学んだりした内容もあってたいへん興味深いです。 まず、「…

脳科学で証明されるマインドフルネスの効果

昨日NHKで放送されたサイエンスZEROに熊野宏昭氏(東京大学博士(医学)で現在早稲田大学人間科学学術院教授、応用脳科学研究所所長)が出演し、マインドフルネスの最近の科学的な知見について解説がありました。 番組では、まず仕事の効率化やストレス低減…

生きかた「知縁」カフェ、はじめます!

勉強会「生きかた知縁カフェ」第1回(9/17)を開催します。 知的好奇心が強く心理哲学的なアプローチと脳科学など最新の科学を融合させたい定年前後のシニアの方々の参加を想定していますが、「生きかた」に関心のある方ならどなたでもOKです。 NPOの審査や…

脳の遠隔領域が同期同調するデフォルト・モード・ネットワーク

今回は脳のデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)を取り上げたいと思います。 NHKのサイエンスZEROで2014年6月22日に “ぼんやり”に潜む謎の脳活動 として特集さました。 https://www.youtube.com/watch?v=R2aswoQtMDI 以下にその概略をメモしました。 (…

心の形成物≒ペインボディ≒認知的フュージョン

五蘊(ごうん)、とくにその第4である「心の形成物」(mental formation)の相互依存性ということを考えているうちに、ティクナット・ハン師のいう「心の形成物」とエックハルト・トールのいう「ペインボディ」、そしてさらにACT(アクセプタンス&コミットメ…

心理的柔軟性を失ってはいないか

昨日、「そうか!自分は心理的柔軟性を失っていたのだ」と気づきました。 10月に内面的にやや切羽詰った状況(以下、状況Aと呼びます)があり、それが軽いトラウマになっていたのでした。 考えてみると不思議な気がします。 ネガティブな状況Aを経験して、そ…

問題解決モードと夕陽モード

スティーブン・ヘイズ他著「アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)第2版」を興味深く読み始めました。あらためて、ACTは本当に素晴らしく永遠の哲学の伝統にある知恵と現代心理学を橋渡ししているなと思いました。 それはともかく今回は、こ…

灰色の男たちの罠から抜け出し、ゆっくり動こう

ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)とこのブログで取り上げた過去のテーマとの関連を見ています。今回はACTの4つ目のコアである「今この瞬間との接触」です。私がごくごく簡単にまとめたACTのまとめは次のようなものです。 ACTその4 今こ…

人生の繰り出してくる問いに意味を見出しながら生きる

生きていく意味が分かりません、生きていく意味があるのでしょうか?と、もし尋ねられれば自分はどう答えるだろうか。 1ヶ月ほど前の研修をきっかけに、ぼんやりとそんなことを考えていたのですが、山田邦男氏の「フランクルとの〈対話〉苦境を生きる哲学」…

自由が不自由を生じさせるという逆説

フランシスコ・ヴァレラの「身体化された心」(工作舎)を読んでいて、 そうか、自由が不自由を生んでいたのだ... と腑に落ちました。 フランシスコ・ヴァレラはミンゲールの著書にも出てくるので名前だけは知っていましたが、チリの生物学者で認知科学の…

フローとマインドフルネス

このブログを読んでいただいている方からフロー状態とマインドフルネスな状態の違いについてコメント欄に質問がありました。ありがとうございます。興味深いテーマと思われましたので、以下に私の考えを書かせていただきます。 フローとマインドフルネスの違…

不快は追い払わず、息とともに観察する

ティクナットハンの「微笑みを生きる」(邦訳、池田久代)にはマインドフルネスのことが分かりやすく書かれています。 今回はその「感情の川」(p64)という節から、不快な感情とどう向き合えば良いかについて書かれている部分を紹介したいと思います。 (以下引…

フェルトセンスをシフトすることで事態を好転させる

立命館大学応用人間科学研究科教授、中川吉晴さんの「気づきのホリスティック・アプローチ」を読んでいて、この本に書かれていることと、最近自分に起こったことが「関係があるのでは?」という感触が数日前からしていた。 そして昨日届いた、ジェンドリンの…

変革体験によってもたらされるPTG

第三世代の認知行動療法を調べて行くうちに「マインドフルネス・瞑想・坐禅の脳科学と精神療法」(貝谷久宣・熊野宏昭編)という本に行きつきました。今回はその中で貝谷氏が報告している「坐禅により軽快した非定型うつ病の1例」から、21歳の女子学生の手…

「無意識の回避」から「意識的な受容」へ

ACT(アクセプタンス・コミットメント・セラピー)の勉強を進めていて、あらためて思うのは、まず、われわれはネガティブな状況や出来事、そしてそれに反応する内面の現象を、無意識に避けようとする傾向があるということだ。 しかしそうではなく受け容れね…

マインドフルネスの日

今回はティクナットハンのThe Miracle of Mindfulnessという本から、「マインドフルネスの日」を紹介したいと思います。きっとマインドフルネスに対するイメージが広がると思います。(以下引用拙訳) A Day of Mindfulness 毎日、毎時間、人はマインドフル…

マインドフルネスで包んだ後にくる洞察

ティクナットハンの「怒り」(岡田直子訳)を読んだ。 とても得るところが大きかったと思う。 恐れや怒り、不安、悲しみなどネガティブな感情(心的構成物)にどう向き合うか?が書かれていた。 その向き合い方はどの感情も同じだが、この本では特に人間関係を…

五蘊その4「行」―Mental Formations

自分のつくり出している「メンタル・フォーメイション」に気づく 五蘊の4番目は「行」です。英語ではMental Formationsと表現されています。まずは、Ayya Khemaによる「行」の解説です。(“Being Nobody, Going Nowhere”p122) (以下引用拙訳) さらにまた…

五蘊その3「想」―Perception

記憶によって条件づけられる知覚 「色(しき)受(じゅ)想(そう)行(ぎょう)識(しき)」という五蘊について順に見ております。今回は三番目の「想」です。 まずは、Ayya Khemaによる解説を見てみましょう。(以下、引用拙訳) 次に、私たちを構成してい…

五蘊その1(色)―Body

苦しみの根本は、五蘊の本質である無常、無我(nonself)、相互依存性を理解することの欠如によるものである、とThich Nhat Hanhは書いています。 今回からAyya KhemaとThich Nhat Hanhによる五蘊の解説をひとつずつ取り上げ、吟味したいと思います。 今回は…

「焦り」と対極にある「道」

昨年末、年賀状に個人的な関心領域の近況を何と表現しようかと考えて「プライベイトでは相変わらず『道』を探究していますが・・・」と書いた。 この『道』は老子の「道徳経」で語られる「道」に近いイメージで書いたのだが、最近、ミンゲールやティクナットハ…

心の部屋に灯りをつけるマインドフルネス

ミンゲールのJoyful Wisdom(邦訳書は未刊)の第2章に、パリのろう人形ミュージアムでのエピソードが書かれている。 ダライ・ラマのろう人形の隣に立っていたミンゲールを、ろう人形だと思い込み、ダライ・ラマとのツーショットの写真を撮ろうとした観光客…

調子を良くする「おーとっと」

年末から、自分にとって尊い(?)感覚をいくつか思い出していた。 中学の頃、卓球をしていた時のあの感覚。腹が入っていて、どこに打って来られても返せる感覚。映画「フォレスト・ガンプ」の卓球のシーンを見ると思い出す。そんな感じ、そんな感じだ。 小…

Milton's Secretと「二本の矢」

エックハルト・トールが子ども向けに書いたMilton’s Secretという絵本があります。ベストセラーThe Power of Nowのエッセンスがたいへん分かりやすく書かれているので、子ども向けにもお勧めなのですが、そこで主人公のMiltonが気づくことと、小児がんのサバ…

行為のさなかに在る自分に気づく

前回のブログでポスト・トラウマティック・グロースを達成する上で、苦悩をPTGに導くために「気づき」は極めて重要なもののひとつであることを見ましたが、それはエニアグラムの理論にも合致するといえます。 「エニアグラム―あなたを知る9つのタイプ」の原…

性格とは心の鎧、とらわれず乗りこなす

京都でのケンウィルバー勉強会の5回目に「タイプ」の学習としてエニアグラムが取り上げられる予定になっていることから、「エニアグラム―あなたを知る9つのタイプ」(ドン・リチャード・リソ&ラス・ハドソン著 角川書店)を読みました。 これがなかなかに…

ネガティブな瞬間にこそ実践を選択する能力

「実践インテグラルライフ」(春秋社)のP477からP480にある「シンプルさを保て」という節に目を通し、大変興味深いと感じました。原著の「Integral Life Practice」ではP362からP364に対応しています。著者が喫茶店でアルバイトをしていた時の実例も描写され…

Integral Nutrition これでダイエットに挑戦?

私も何とか5キロ体重を落としたいと思っているほうですが、これを読んで4〜5日まえから少しやる気になってきました。狩猟採集民として遺伝子レベルでも身についてしまっている習慣を変える挑戦です。(大げさですか…) 今日は、ILPのIntegral Nutrition p165…

「意識的」が「習慣的」から解き放つもの

まさに、我が意を得たり、の文章がILPのp353のエネルギーと注意を解放す(Free Your Energy and Attention)に書かれていました。今年の抱負として掲げた「気づくだけ」をよりイメージしやすくなりました。 しかもこれほどの成長と変容をもたらすものであっ…

気づくだけ Brief moments are just fine

いつだって 気づくだけ♪とは、平原綾香の歌うCircle Gameという曲で繰り返されるサビの部分の歌詞ですが、今年の抱負はまさに「気づくだけ」で行こうと決めました。 年末から年始にかけて、あれこれと思いを巡らせては、一念発起したいような衝動が、どうし…

3-2-1 Shadow Process+目撃者

ウィルバーのIntegral Life Practiceのコア・モジュールの1つであるシャドウ・モジュールを読み終えました。読み応え、十分!という感触です。 前半は、影の説明と3-2-1 Shadow Processを使ったシャドウ・ワークが、3つの具体例を織り交ぜながら解説されて…

Meditation Practiceその1 呼吸瞑想

ILPのスピリット・モジュールではMeditation Practicesとして5つの瞑想が紹介されています。そこではまず以下の書き出しから始まり、簡単に5つの瞑想が示された後、各々の瞑想が詳しく示されています。今回はその書き出しの部分とすべての瞑想の基礎ともいえ…

ネガティブな感覚を気づきのサインとして役立てる

「気になること」などがあると、考えていないつもりでも、そのことが無意識に心の一定の容積を占めていることがあります。そんな時は、どこか緊張したり、少し胸がしめつけられたり、自己収縮のネガティブな感覚があります。 一般的な反応もしくは対応として…

思い出してきた、「今ここ」の感覚

Eckhart TolleのThe Power of NOWを読んでいて、「今ここ」にあるときの感覚として「ぴったりと静止している」と書いてあるところ(和訳p96)があり、その部分を読んでからある感覚を思いだしました。 わたしは中学、高校と卓球をしていたのですが、その卓球…

「気をとられている」ことに気付く、ことから

訳者の松永太郎さんがケンウィルバーの「存在することのシンプルな感覚」のあとがきで次のように書かれていますところがあります。 “Presence”とは「現前」と訳されるが、それは「今、ここにいる」ということである。日本語では「気をとられる」というが、私…

朝の静止

瞑想をしていました。 朝,目覚めの気分があまり良くなかったので、はじめは ねころんだまま、いつもの額の軽い圧迫感を意識しました。 心地よい圧迫感が戻ってきました。 静止の感覚です。 頭がしゃべっていることに気づきます。 気づくと目を閉じているんで…

無意識の思考に気づく

2007年03月03日(土)のブログ「呼吸を日常生活の気づきに利用する」でも少し触れていますが、無意識に頭がしゃべっている、その思考に気づくこと、気づきを入れることがとても大切です。 忙しい時ほど、あるいは追詰められた時ほど、気づきを入れるべきでしょ…

自分の見解に同一化しない

目撃者にとどまり、自分のエゴをみることは頭で思うほど簡単ではありません。 特に、対人関係のなかで生じ、大きな感情が揺れ動くようなケースではそのエゴが始動を始めたところに、すかさず気づきを入れることはなかなかできないものです。 トーレのニュー…

呼吸を日常生活の気づきに利用する

実践ヴィパッサナー瞑想「呼吸による癒し」の第6章日常生活と共に呼吸する、を読んでいて「ああ、やっぱり私が高校時代に経験したことのある、あのやり方でいいんだ」とあらためて思いました。 特に関心を引いたのはこんな文章です。 (以下引用)呼吸は現在…