ウィルバー哲学に思う

「統合」の哲人ケン・ウィルバーを中心に、仏教心理学的視点を取り入れたマインドフルネス、第三世代の認知行動療法ACT、アドラー、ポジティブ心理学など、複雑系や脳科学的なアプローチも加味し、「生命の躍動」の探求、心理哲学的な関心について綴っています。

マズロー

オレンジの種、芽生え、開花、結実

昨年から若い方の進路について相談を受ける機会などが続いたことが背景にあり、「そうか、彼らは専門性が確立できていないのが問題なのだ!」と思い至った。そして先日からこの着想を説明すべくあれこれ考えていた。 ここでいう「専門性を確立する」とはどう…

アイデンティティを強めようとする傾向に気づく

20歳代の後半だったように思う。自分はいったい何がしたいのか。何が生きがいなのか? どんな時に仕事にやりがいを感じるのだろうか?とよく考えたことがあった。 そのときの結論はかなり長い間、私の中で疑問視されることなくあった。 その時に得た結論は、…

絶対肯定としての「トンパ・ニ」

ミンゲールの「今、ここを生きる:The Joy of Living」の 第4章 空―実在を超えた実在 のP80で「空」のことがこう説明されている。 心をただ休める時に経験する広々と開いた感覚を、仏教では「空」と呼んでいます。・・・「空」という言葉を「無」("the Void” o…

ゴスペル・クワイアの至高体験

「インテグラル理論と実践が自分にどう役立ったか」を考えていて、先週お会いしたhuman noteという団体の活動の源泉にマズローのいう「至高体験(perk experience)」があるのだという洞察は、ごく最近インテグラル理論が役立った事例の一つだとあらためて思…

私とは誰か?自己同一性のライン

今回はインテグラル理論の発達ラインの中の自己同一性(セルフ・アイデンティティ)のラインを取り上げたいと思います。 LeovingerとCook-Greuterがその研究者として名前が上がっていたので、探していたらクイーンズ大学の心理学のサイトの中にコンパクトに…

心身統合とSubtleエネルギー

ILPのボディモジュールの中のSubtle Body Practicesという節を読み終えました。172〜190ページまでかなりの枚数が割かれていました。このsubtleボディ、subtleエネルギーの実践に関する記述は、従来のウィルバーの著書ではあまり見られない貴重なものでした。…