ウィルバー哲学に思う

「統合」の哲人ケン・ウィルバーを中心に、仏教心理学的視点を取り入れたマインドフルネス、第三世代の認知行動療法ACT、アドラー、ポジティブ心理学など、複雑系や脳科学的なアプローチも加味し、「生命の躍動」の探求、心理哲学的な関心について綴っています。

マトリクス

創造プロセス、粗大Ⅰ→微細→粗大Ⅱ

通常の意識状態(粗大)から微細に入り、再び粗大へと戻ってくる時に洞察を伴うことがしばしばある。 若きコンサル時代にも、高圧状態まで考えつくして、いったん忘れて眠る、そして翌朝目覚めると、素晴らしい仮説、経営課題の葛藤を止揚しうる戦略などを思い…

卓球の実践によるインテグラルな波及

卓球をまたやろう!と思い立ち、昨年10月から卓球を再開(ほぼ40年ぶり)、チームを組んで大会に出るなど、この1年間、実践してきた。 健康面では体重10kg減、体脂肪率8%ダウン。メタボ予備軍を脱し、血圧、休息時心拍数、血糖値、インスリン抵抗性、CRP、…

マンダラとは1

NHKこころの時代『マンダラと生きる』(正木晃著) 私たちのNPOでマンダラを折り鶴で表現しようという試みが始まり、ではマンダラとは何か?まずは基本の基を学ぼう!ということで昨日ミニ勉強会の1回目を実施しました。 NHKこころの時代で放送された番組のテ…

「見せかけの不運」から「高次の秩序」へ

3月6日のブログで『見せかけの不運』について書いた。 ある出来事を、その出来事単独で、その時の自分にとって好ましい事、好ましからざる事で分けて、あれは良い出来事、これは悪い出来事、前回は幸運な出来事、今回は不運な出来事というように判断する。人…

楽観性を育むマトリックス

先日、わが子の結婚式があり、新郎の父としてあいさつする機会がありました。 接する機会が多いほうともいえず、良い父親とは決していえない立場ではありましたが、20数年を振り返ってみて、ともあれ楽観的な性格に育ってくれたことに感謝し、過去のエピソー…

状態に気づいている「状態」

あけましておめでとうございます。初ブログを書きました! **************************** 元日の朝の目覚めのあとにどのような言葉が頭に浮かぶのか? これは自分自身としても、興味があることだ。 2018年の初夢ならぬ初想起、…

「目撃者の自己」と「複雑系の自己」

ウィルバーのいう「目撃者としての自己」と、ここ何回か記事で取り上げてきた「複雑系としての自己」を対比させて示せないかと考えて以下のような図を描いてみた。 上図は「目撃者としての自己」(目撃者の自己)の広がりを私なりに示したものだ。I(個人の…

徹底的な安心感とマトリックス

平成29年6月10日のブログで吉福伸逸氏のいうマトリックスのことを書いた。それはエネルギー源の提供、徹底的な安心感、排泄物の処理という3大機能をもち、子どもの成長とともに子宮から、母親、そして家庭、自然界や仲間、会社へと移行していく。 nagaalert.…

新たな認識は新たな世界を生成する~世界内認識の複雑系~

nagaalert.hatenablog.com フランシスコ・ヴァレラの『身体化された心』を参照し、2013年5月5日のこのブログで私はこう書いた。 すなわち、現実とは自己と世界の間で共創される複雑系であるということだ。私は今まで相互依存性を右下象限の性質であると何と…

ソーシャルビジネス、NPOの経営戦略

日本政策金融公庫のメルマガに「NPO経営戦略10のステップ」というものを株式会社PubliCo代表の山元圭太氏が紹介されていて興味深かったので適用してみたいと思います。 まず、10のステップとは以下のA~Jです。 Ⅰ.社会を変える計画 A.組織使命(Vis…

マトリックスと共同体感覚

ケン・ウィルバーの『意識のスペクトル1・2』『アートマン・プロジェクト』『無境界』などを翻訳された吉福伸逸氏の遺稿でもある本書。『世界の中にありながら世界に属さない』というタイトリルに惹かれ、1年ほど前に購入しました。 そしてこの数日、再び目…

本質の無化から、無「本質」的分節へ

前回に引き続き井筒俊彦の『意識と本質』を見ていく。 本論に入る前に、井筒の使用する「分節」あるいは「無分節」ということばであるが、『意識の形而上学~大乗起信論の哲学』のなかでこう解説されている。 仏教古来の術語に「分別」という語があって、ほ…

リアリティは部分/全体であるホロンから構成されている

ホロンとは、アーサー・ケストラーが作った造語で、「ある文脈において全体であると同時に別の文脈で部分である単位のこと」を指します。 ケンウィルバー著「進化の構造Ⅰ」のp57にこう書かれています。 実在/現実(リアリティ)はモノあるいはプロセスか…

「縁」の入れ子

元日のブログで「さらにこの大きなヘキサ・キューブ形の中には、無数の小さなヘキサ・キューブがぎっしり詰まって並んでいると想像する。」と書いた。 これをもう少し、華厳経の世界観であるインドラ網、そして入れ子状のフラクタル構造(注1)を取り入れて…

次元を行き来するヘキサキューブ、元旦の夢

新年あけましておめでとうございます。 元日に新しい会社の商号「経営マトリクス研究所」のマークの初夢を見た。これは正夢である。 2次元平面に描く正六角形(ヘキサゴン:hexagon)は、3次元の立方体(キューブ;cube)にも見えるという考えてみれば不思議…

「経営マトリクス研究所」

姫路市においていた有限会社をこちら(大阪府茨木市)に移転登記し、ついでに商号も変えて、年初に再出発しようと先月からいろいろと考え抜いて、決めた社名が「経営マトリクス研究所」である。 「経営」はともかく、なぜ「マトリクス(orマトリックス)」な…