ACT
「原初の回避」については、『インテグラル理論を体感する Integral Meditation』(ケン・ウィルバー著)にこうある。 けれどもよく観察してみると、私たちはあまりにも多くの場合、何らかのものを「見たくない」と感じています。… ちょっとした不快な身体感覚…
5億光年の宇宙地図〈ラニアケア超銀河団〉(NHKより) 新年あけましておめでとうございます。 まず、このタイトルを元日の記事に持ってきたのは、忘れてはならない貴重なコンセプトであると、昨年10月ごろから幾度となく思い返したからです。 私たちは得てし…
思考がお化けをつくり出していないか? それは、あらぬ妄想だ。 言葉と記憶によりサピエンスは食物連鎖の頂点にたったが、 今ここに危機はないにも関わらす、心は闘争してしまう。 サピエンスの背負った苦悩である。 コロナから「二本の矢」を受けてはならな…
この1か月ほど前に、ネガティブな出来事があり、その対応のため少々苦慮してきた。 しかし、そんな中で、ジョン・レノンの息子であるショーンがNHKの番組『ファミリー・ヒストリー』に出演していた時に話した「ママはよく、これは見せかけの不運だってい…
複雑系とは何か?ネット検索してみると出てくるのはこういう解説だ。 多くの要素からなり、部分が全体に、全体が部分に影響しあって複雑に振る舞う系。従来の要素還元による分析では捉とらえることが困難な生命・気象・経済などの現象に見られる。高精度の測…
前回に引き続き井筒俊彦の『意識と本質』を見ていく。 本論に入る前に、井筒の使用する「分節」あるいは「無分節」ということばであるが、『意識の形而上学~大乗起信論の哲学』のなかでこう解説されている。 仏教古来の術語に「分別」という語があって、ほ…
「かぶき者慶次」という時代劇を見た。関ケ原の戦いの後、石田三成の子を前田利家の甥にあたる前田慶次がかくまって、上杉家の領地である米沢の地で秘かに育てているという設定である。前田慶次は実在した人物だが、石田三成の子はドラマでの名は新九郎とい…
今年の9月25日に出版された3人の鼎談からなる『〈仏教3.0〉を哲学する』がとても面白いです!! このことを受けて、第3回の生きかた「知縁」カフェの3つ目のテーマとして、以下の内容を書き添えました。 「観察者としての自己」を取り上げ、藤田一照氏、永井…
NHKスペシャルの「キラーストレス」とEテレの「マインドフルネス」が放送された直後に出版された熊野宏昭さんの「実践マインドフルネス」に、脱フュージョンの次のステップとして、「場としての自己=注意を無数に分散する」という実践が紹介されています。 …
脳科学の視点を取り入れ、ウィルバー哲学、マインドフルネス、ACT、アドラー心理学などを横断的に学ぶ勉強会です。ソーシャルビジネスへの展開も視野に入れ、交流します。 【生きかた「知縁」カフェ第4回 内容】 ①今回のテーマ:最近のブログから「人類進化…
国立がんセンターに「ACT外来」ができています。これは正直驚きました。しかも保険診療です。www.ncc.go.jp 内容を以下に転載させていただきます。 ACT外来では、ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)を通して、(1)がん体験に伴って生じる悩みと…
2016年8月5日発行の精神療法~特集マインドフルネスを考える、実践する~が本日届きました。 寄稿されている先生方のうち、名前を存じている方も多く、書籍を読んだり、勉強会で取り上げたり、直接学んだりした内容もあってたいへん興味深いです。 まず、「…
昨日NHKで放送されたサイエンスZEROに熊野宏昭氏(東京大学博士(医学)で現在早稲田大学人間科学学術院教授、応用脳科学研究所所長)が出演し、マインドフルネスの最近の科学的な知見について解説がありました。 番組では、まず仕事の効率化やストレス低減…
勉強会「生きかた知縁カフェ」第1回(9/17)を開催します。 知的好奇心が強く心理哲学的なアプローチと脳科学など最新の科学を融合させたい定年前後のシニアの方々の参加を想定していますが、「生きかた」に関心のある方ならどなたでもOKです。 NPOの審査や…
昨年1月のパリのテロの後、フランスの思想家ヴォルテール(1694-1778)の著書である『寛容論』が10万部のベストセラーになったといいます。 今月の2日に放送された『100分de平和論』で作家の高橋源一郎さんが取り上げた名著です。 トゥールーズのプロテスタ…
福は内、鬼は外 節分の豆まきの言葉であるが、家の玄関を境界として、幸福をもたらしそうなものはどうぞお入りください、不幸をもたらしそうなものはどうか外へ、という掛け声である。しかしながらそうすると、外の世界は鬼ばかりいる怖いところになってしま…
哲学者である永井均さんの著書『私・今・そして神』の中に、注目すべき表現があったのでその部分に線を引いた。それは「開闢(かいびゃく)の奇跡」という節のなかに書かれている。(以下、P40~p42より引用) ある名付けえぬもの ・・・ まあ、基本的には、…
脳内ポイズンベリーという映画を観た。 若い男女の三角関係がストーリーの恋愛映画で、映画館も若い人が多く、少々気恥ずかしい感じがした。 にもかかわらず、わざわざ見に行こうと思ったのは、主人公の脳の中にポジティブ、ネガティブ、衝動、記憶、そして…
五蘊(ごうん)、とくにその第4である「心の形成物」(mental formation)の相互依存性ということを考えているうちに、ティクナット・ハン師のいう「心の形成物」とエックハルト・トールのいう「ペインボディ」、そしてさらにACT(アクセプタンス&コミットメ…
昨日、「そうか!自分は心理的柔軟性を失っていたのだ」と気づきました。 10月に内面的にやや切羽詰った状況(以下、状況Aと呼びます)があり、それが軽いトラウマになっていたのでした。 考えてみると不思議な気がします。 ネガティブな状況Aを経験して、そ…
スティーブン・ヘイズ他著「アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)第2版」を興味深く読み始めました。あらためて、ACTは本当に素晴らしく永遠の哲学の伝統にある知恵と現代心理学を橋渡ししているなと思いました。 それはともかく今回は、こ…
最近、ルパート・スパイラの「プレゼンス」という本をとても興味深く読んでいます。 Presenceは「現存」と訳されています。ウィルバーの著書の多くを訳された松永太郎さんはPresenceを「現前」と訳しました。文脈によって「いまここ」とも表現されていました…
「あるがまま」とは、「ありのまま」、および、「起こるがまま」を含んで超えているのだと思いました。 まず、「ありのまま」とは、何でしょうか。 それは、ベールを通さず、無濾過のリアリティを見ることです。 私たちヒトは、「関係づける能力」を発達させ…
ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)とこのブログで取り上げた過去のテーマとの関連を見ています。今回はACTの4つ目のコアである「今この瞬間との接触」です。私がごくごく簡単にまとめたACTのまとめは次のようなものです。 ACTその4 今こ…
今回みていくのはACT(アクセプタンスコミットメントセラピー)の「観察者としての自己」です。ウィルバーのいうWitnessであり、目撃者、あるいは観照者と訳されています。このブログでは基本的に目撃者と書いてきました。これは、清水博先生のいう場所中心…
前回に引き続きACTのコアである6つのプロセスについて、過去のブログとの関連を見て(ウィルバー、ACT、ティクナットハン、エックハルト・トール、ミンゲールetc)に共通する横糸を通してみたいと思います。今回はその2つ目、脱フュージョンです。 脱フュー…
小児がんコンサルタントのブログでACTのまとめを掲載しました。 http://childcancerconsul.blogspot.jp/ こちらのブログでは、「ウィルバー哲学に思う」の観点から、それに横糸を通してみようと思います。ACTには6つのコアになるプロセスがあるとされていま…
最近わたくしごとに関するさまざまな物事が大きく動いているおかげで、外部の関係者とのあいだで葛藤が生じる。 思いも寄らぬ一撃であったり、思わぬ人からの不意打ちのような予期せぬ形でそれはやってくる。 このことをどう考えればいいのだろうか?と昨日…
20歳代の後半だったように思う。自分はいったい何がしたいのか。何が生きがいなのか? どんな時に仕事にやりがいを感じるのだろうか?とよく考えたことがあった。 そのときの結論はかなり長い間、私の中で疑問視されることなくあった。 その時に得た結論は、…
あらゆるモノやコトに内在する「無根拠性」にどのような姿勢で臨めばよいのか?ということを考えていました。 この「無根拠性」は、以前David Loyの著書から引用して「絶えまない欠乏の感覚(a sense of lack)をもたらすもの」 絶えまない欠乏の感覚(a sense …