ウィルバー哲学に思う

「統合」の哲人ケン・ウィルバーにはじまり、仏教心理学的視点を取り入れたマインドフルネス、第三世代の認知行動療法ACT、そして近年ブームのアドラーまで、脳科学的なアプローチも加味し、心理哲学的な関心について綴っています。

David Loy

12因縁を断ち切るマインドフルネス

最近、身の回りで起こっていることが「過去にこういうことが起こったので、今になってこうなってしまった」というようなストーリーで解釈されることがままあり、その度に、心の奥で、そうではあるが、いやいや違う、そうではない、と感じていました。 それが…

人生の繰り出してくる問いに意味を見出しながら生きる

生きていく意味が分かりません、生きていく意味があるのでしょうか?と、もし尋ねられれば自分はどう答えるだろうか。 1ヶ月ほど前の研修をきっかけに、ぼんやりとそんなことを考えていたのですが、山田邦男氏の「フランクルとの〈対話〉苦境を生きる哲学」…

すでにそうであることこそ破線ではなく、実線。

あらゆるモノやコトに内在する「無根拠性」にどのような姿勢で臨めばよいのか?ということを考えていました。 この「無根拠性」は、以前David Loyの著書から引用して「絶えまない欠乏の感覚(a sense of lack)をもたらすもの」 絶えまない欠乏の感覚(a sense …

五蘊その4「行」―Mental Formations

自分のつくり出している「メンタル・フォーメイション」に気づく 五蘊の4番目は「行」です。英語ではMental Formationsと表現されています。まずは、Ayya Khemaによる「行」の解説です。(“Being Nobody, Going Nowhere”p122) (以下引用拙訳) さらにまた…

五蘊その1(色)―Body

苦しみの根本は、五蘊の本質である無常、無我(nonself)、相互依存性を理解することの欠如によるものである、とThich Nhat Hanhは書いています。 今回からAyya KhemaとThich Nhat Hanhによる五蘊の解説をひとつずつ取り上げ、吟味したいと思います。 今回は…

The Suffering of Change 変わりゆくものに執着する苦しみ

ミンゲールのJoyful WisdomのP52から、二つ目の苦しみのタイプThe Suffering of Changeについて書かれている(一つ目はSuffering of Suffering、三つ目はPervasive Suffering)。 「変わりゆくものに執着する苦しみ」と訳すのが適切ではないかと思う。以下に…

絶対肯定としての「トンパ・ニ」

ミンゲールの「今、ここを生きる:The Joy of Living」の 第4章 空―実在を超えた実在 のP80で「空」のことがこう説明されている。 心をただ休める時に経験する広々と開いた感覚を、仏教では「空」と呼んでいます。・・・「空」という言葉を「無」("the Void” o…

”Compassion”インドラ網である自分を感じる

宮沢賢治の「インドラの網」の中に書かれている表現は次のようになっている。 「ごらん、そら、インドラの網を。」 私は空を見ました。いまはすっかり青ぞらに変わったその天頂から四方の青白い天末までいちめんはられたインドラのスペトル製の網、その繊維…

恐れと欠乏の感覚

前回の勉強会でビッグマインド・プロセスを受けている時、「プロテクターとコントローラーのいずれにも、根底に恐れが潜んでいるな」という感じを強くもちました。 このことをあらためて考えてみると、エニアグラムでいうところの「根源的恐れ」とエックハル…

慢性的な欠乏の感覚とrestlessnessに気づく

前回の続きでエックハルト・トーレのいうThe Egoic SelfをDalal博士の解説でみて行きます。 いつでももっと欲すること―欲望 エックハルトの話すエゴ的自己のもうひとつの主要な特徴は、慢性的な欠乏の感覚(incurable sense of lack)、不十分な、不完全な感…

Natureを支配しようとすること(Objectify)の逆説

かなり前から取り上げたいと何回か思ってきたテーマなのですが、自分の中でクリアーになりきれていない部分が残っていました。 しかし「緊急のモードで、モノやことを対象化することは感情移入を減じ、分離感をつくりだすことで、経験から私たちを遠ざける」…

お金への強迫観念は空性への抑圧から

David LoyのLack and Transcendenceの第5章Trying to Become Realという章を読んでいます。彼がこの本の中でキーワードとしている個人の「欠乏の感覚(a sense of lack)」は、広く社会行動や制度の集合的な無意識に組み込まれていると言います。中世の終わ…

色即是空と空即是色の完璧な解説

これは色即是空、空即是色の完璧な解説だと思われる部分を「存在することのシンプルな感覚」P138〜139に発見しました。(「進化の構造2」P14〜16に対応しています。)といいますか今までにも何回か目を通したことのある文章でしたが、あらためてここは本当…

「悪い無限」を空なる心の自由へと反転する、それは「無形の位」

David LoyのLack and Transcendenceの中には興味深いことがいくつも書かれています。 P94から、私が朱線を引いたところを以下にいくつか抜粋してみます。(以下引用拙訳)〔 〕は私の補記です。 私たちの最も問題となる二元性は、死に対する生ではなく、自己…

絶えまない欠乏の感覚(a sense of lack)をもたらすもの

インテグラル・ジャパン代表である鈴木規夫さんのブログの次の文章、に惹かれるものを感じ、特にa sense of lackとthe Atman Project にピクンとしてDavid LoyのLACK AND TRANSCEBDENCEを購入しました。 http://integraljapan.net/wordpress/suzuki/?p=218よ…

無意識に心が何かを求めて

無意識に心が何かを求めている状態はないでしょうか? テレビのチャンレルをどんどん変えて、それでも見たい番組がなくて… というような時があります。 何か少しイライラしていたり、退屈だったりする時に、少しでも自分をいい気持ちにしてくれるものを無意…