ウィルバー哲学に思う

「統合」の哲人ケン・ウィルバーにはじまり、仏教心理学的視点を取り入れたマインドフルネス、第三世代の認知行動療法ACT、アドラーなど、複雑系や脳科学的なアプローチも加味し、心理哲学的な関心について綴っています。

ILP(インテグラル・ライフ・プラックティス)

青空としてのわたし

このブログでいつも伝えたいと考えていることを「直球、ストライク!」という表現でタイトルになっている鎌倉一法庵住職の山下良道さんの著書「青空としてのわたし」を読みました。 良道さんはもともと曹洞宗僧侶でアメリガでの布教経験を経て、ミャンマーに…

アイデンティティを強めようとする傾向に気づく

20歳代の後半だったように思う。自分はいったい何がしたいのか。何が生きがいなのか? どんな時に仕事にやりがいを感じるのだろうか?とよく考えたことがあった。 そのときの結論はかなり長い間、私の中で疑問視されることなくあった。 その時に得た結論は、…

困難な状況でも態度は選択できる

実存主義心理学者ヴィクトール・フランクルのいう「態度価値を実現する」とはまさに表題の「困難な状況でも態度は選択できる」ということです。前回のブログに通じる部分があります。 フランクルはアウシュビッツでの体験をもとに実存分析と意味による心理療…

ネガティブな瞬間にこそ実践を選択する能力

「実践インテグラルライフ」(春秋社)のP477からP480にある「シンプルさを保て」という節に目を通し、大変興味深いと感じました。原著の「Integral Life Practice」ではP362からP364に対応しています。著者が喫茶店でアルバイトをしていた時の実例も描写され…

Emotionalのラインはシャドウ・モジュールで伸ばす

今回はEQを取り上げようとして、ゴールマンの”Emotional intelligence”邦訳「EQ こころの知能指数」を購入し、その他にもウィキペディアやEQジャパンのウェブサイトなどに目を通しました。前回のInterpersonal知性で取り上げたセルマンのような明確な発達…

Interpersonal知性と、セルマンの役割取得能力

「VIFによる思いやり育成プログラム」という渡辺弥生さん(編)の本が届きました。 ウィルバーのAQALインテグラル理論にあるInterpersonalの発達ラインの主要な研究者として名前が挙がっているセルマンの「役割取得能力の発達段階」の本「(邦訳)ペア・…

発達ラインと多重知性

ケン・ウィルバーのAQALインテグラル理論では、象限、レベル、ライン、状態(States)、タイプという構成要素があります。このうち四つの象限と5つのラインを使って最近ある報告をまとめたのですが、少々自分の中で混乱している点を確認しました。今回はその…

Integral Nutrition これでダイエットに挑戦?

私も何とか5キロ体重を落としたいと思っているほうですが、これを読んで4〜5日まえから少しやる気になってきました。狩猟採集民として遺伝子レベルでも身についてしまっている習慣を変える挑戦です。(大げさですか…) 今日は、ILPのIntegral Nutrition p165…

Awareness、inhabitで脱habitual

以前のPresenceというタイトルのブログでIntegral Lifeのための5つのSkillについて触れました。それは以下の5つのスキルでした。 Presence Awareness Perspective Attention Discernment このうち、今日は2つ目のスキルであるAwarenessを取り上げてみたい…

「意識的」が「習慣的」から解き放つもの

まさに、我が意を得たり、の文章がILPのp353のエネルギーと注意を解放す(Free Your Energy and Attention)に書かれていました。今年の抱負として掲げた「気づくだけ」をよりイメージしやすくなりました。 しかもこれほどの成長と変容をもたらすものであっ…

拡張する気づき

ILPのコアモジュールの総括のような部分が、P347から書かれています。毎日、ILPの実践を継続していくことの変化が「拡張する気づき」と表現され、一度に四つのモジュールに目を通せます。まずはその部分の訳を紹介します。(以下抜粋、拙訳) あなたが規則的…

Hara そして、小宇宙の軌道

前々回に取り上げた3-Body WorkoutはIntegral Lifeのウェブサイトでfreeの映像としても見ることができますが、ILPの文章の方からそのポイントを抜粋すると次のようになっています。まずは、前々回の続きです。(以下抜粋拙訳) Step2: Energizing the subtle…

The 3-Body Workoutの非二元ポイントアウト

ILPの中でも主要な実践、ボディモジュールのthe 3-Body Workoutをまだ取り上げていませんでした。これはウィルバーのIntegral Visionでも1分間モジュールがヴィジュアルに紹介されており、組み立ても、ボディモジュールとスピリットモジュールを包括するよう…

Compassionate Exchangeはトンレンだった!

ILPのスピリット・モジュールで紹介されている5番目の瞑想の名称はCompassionate Exchangeです。単語だけから勝手にイメージし、あまり興味がもてず後回しにしていました。しかし、以下に紹介するように5行、10行と訳が進むにつれて、あれ、これって・・・トン…

感情に気づきエネルギーに昇華させる

前回取り上げたTransmuting Emotionのプロセスでは、シャドウになっていない本来の感情を変換する5つの手順が示されていました。簡単におさらいしてみますと、 気づく→ 緩和する → 中にある → 呼吸 → 昇華 となります。まず、青空を流れる雲のように、意識の…

3-2-1 Shadow Process+目撃者

ウィルバーのIntegral Life Practiceのコア・モジュールの1つであるシャドウ・モジュールを読み終えました。読み応え、十分!という感触です。 前半は、影の説明と3-2-1 Shadow Processを使ったシャドウ・ワークが、3つの具体例を織り交ぜながら解説されて…

青い鳥の完璧なシャドウ・ワーク

あけましておめでとうございます。 年末から年始にかけて直木賞作家である重松清原作の映画とドラマを立て続けに見ました。 まず、『青い鳥』 吃音の村内先生が臨時教師でやってくる。その中学校のクラスではいじめがあって、いじめられていた野口君は自殺未…

抑圧と影

今回はILPのシャドウ・モジュールから読み進めていくうちに気づいた点をいくつか取り上げたいと思います。 最初に、影とは何か?これについてILPの本文ではこのような説明がされています。 「シャドウ」という用語は、心の「暗い側」に関係しています。―…

4つのS 微細の熟達

今回は「4つのS」について書いてみたいと思います。この「4つのS」という表現は、私のオリジナルです。それはSituation but States by Subtle, then Stageです。文章にするとWe can manage not Situation but States by Subtle, then Stage.となります。…

スピリットの3つの顔 The 3 Face of Spirit

今回はMeditation Practiceの4つめであるThe 3 Face of Spiritを取り上げたいと思います。 スピリットの3つの顔とは、3人称のスピリット、2人称のスピリット、そして1人称のスピリットを指します。邦訳「インテグラル・スピリチュアリティ」では『第7章「私…

非視点的狂気

10年前に私自身が陥っていた非視点的狂気とは何であったか?もう一度少し整理をしてみたくて「進化の構造」と「万物の歴史」からいくつか関連した文章を抜粋してみました。 以下「進化の構造」より抜粋 P308「緑の運動」は本質的にマルキシズムと同じ欠陥を…

Integral Inquiry 統合的な問い

ILPのスピリット・モジュールではMeditation Practicesとして5つの瞑想が紹介されていますが、今回はその3つ目、Integral Inquiry「統合的な問い」を取り上げたいと思います。 まず、1分間モジュールから、それは以下のようになっています。(以下、拙訳) 1…

Statesを管理する

実際のILPの実践は、ILP Blueprint という計画を左の表として作成し、ILP Weekly Tracking Logという一週間の実践結果を右の表として記録するという形を取ります。 私も年内は試行期間という気持ちで気軽に青写真を作って実践を始めました。計画する項目の中…

I AMマントラ瞑想

このI AMマントラ瞑想はILPの中で以下のような解説で始まります。 このガイド付き瞑想は、あなたを目撃者意識(witness consciousness)の中心に連れて行きます。あなたの生来の気づき(native awareness)、存在としてのシンプルな感覚(simple feeling of …

深い夢見のない眠りの中に現前するもの

Subtle Energyが意思的な心と肉体的な身体の間のミッシング・リンク(失われた輪)であるのに対し、Causal Bodyとは何であったか?目撃者(Witness)との関係は?などを知りたくて、ILPのボディ・モジュールの章の最後に出てくるResting in the Causal Body…

Meditation Practiceその1 呼吸瞑想

ILPのスピリット・モジュールではMeditation Practicesとして5つの瞑想が紹介されています。そこではまず以下の書き出しから始まり、簡単に5つの瞑想が示された後、各々の瞑想が詳しく示されています。今回はその書き出しの部分とすべての瞑想の基礎ともいえ…

Additional Modules

Integral Life Practiceの第9章を読み始めました。タイトルは次のようになっています。 Living Your Life as Practice Relationships, Work, Parenting, Creativity, And Other Additional Modules コア・モジュールがIndividualであるのに対し、アディショ…

見性と悟り

ウィルバーのIntegral Life Practiceのスピリットモジュールの中に、実践と見性、そして悟りの関係が説明されている節がありました。状態(state)としての見性、段階(stage)としての悟り、という捉え方で分かりやすかったです。P205のCan you feel it?か…

道徳的認識力は勇気をもって高める能力(統合的な倫理2)

ウィルバーのILPの「統合的な倫理」の章を読み進めていくなかで、重要なことを3点ほど整理したいと思いました。統合的倫理の基本理念、3種の価値、統合的倫理のAQALの3項目です。 まず、統合的倫理の基本理念ですが、これはp261にThe Basic Moral Intuiti…

統合的な倫理 その1

ウィルバーを読み始めて、そして特にこのIntegral Life Practiceを読み始めてから人生の謎がどんどん解かれていく感じがしています。一昨日から昨日にかけて自分に起こったことと、第8章の「Integral Ethics統合的な倫理」を訳しはじめたことが相まって、ま…