ウィルバー哲学に思う

「統合」の哲人ケン・ウィルバーを中心に、仏教心理学的視点を取り入れたマインドフルネス、第三世代の認知行動療法ACT、アドラー、ポジティブ心理学など、複雑系や脳科学的なアプローチも加味し、「生命の躍動」の探求、心理哲学的な関心について綴っています。

Let it goまたはLet it be

Integral Inquiry 統合的な問い

ILPのスピリット・モジュールではMeditation Practicesとして5つの瞑想が紹介されていますが、今回はその3つ目、Integral Inquiry「統合的な問い」を取り上げたいと思います。 まず、1分間モジュールから、それは以下のようになっています。(以下、拙訳) 1…

Additional Modules

Integral Life Practiceの第9章を読み始めました。タイトルは次のようになっています。 Living Your Life as Practice Relationships, Work, Parenting, Creativity, And Other Additional Modules コア・モジュールがIndividualであるのに対し、アディショ…

心を鏡のように用いる

「存在することのシンプルな感覚」の最後の章「常に現前する意識の輝くような明晰性」は本当にすばらしい。どこもいいのですが、今日は目撃者がどのように目撃するのか、を荘子の言葉を引用して書かれた部分があるので取り上げたいと思います。 (以下P364よ…

ケンタウロスとuncontrollable

ウィルバーの「意識のスペクトル」では、ペルソナと、投影された影を統合して健全な自我を回復した後、自我(心)と身体とを統合してケンタウロス(心身統合体)に至ります。これは無境界(非二元、統一意識)に向かう途中のアイデンティティ拡大の1プロセス…

What to do ではなく How to be

私たちは事体が望ましくない状況であるとき、いったい何をすればいいのだろうか?と考え、悩む傾向があります。事体を望ましい姿にもって行くために必要なことを洗い出し、優先順位を決めて実行しようとします。 経営の世界でも一定の未来(例えば3年後)の…

LET IT BE

LET IT BEという言葉は中学生のときからビートルズで知り、よく聞き、また歌ってもいました。しかし、LET IT BEにこんな深遠な意味があると知ったのは最近です。 ビートルズの曲の中でも whisper words of wisdom "let it be~"♪と歌われることから知恵の言…

禅 ZEN

映画「禅 ZEN」を見てきました。大谷哲夫「永平の風 道元の生涯」(文芸社刊)が原作です。 内田有紀ふんする「おりん」が、乳飲み子が死にそうだと、道元のもとに駆けつけた時、道元が言った言葉・・・、そしてそのあとの一連のやりとりは前半の山場です。 そ…

自己収縮を感じたままにする

12/30のOne Tasteに入るには、で自己収縮を感じることが書かれていました。トーレのニューアース第7章にその具体的な記述を見つけましたので紹介します。(以下抜粋) 力強いスピリチュアルな実践は、エゴが収縮したときに修復しようとはせず、意識的に縮ん…

One Tasteに入るには

以下はケン・ウィルバーのThe Simple Feeling of Being「存在することのシンプルな感覚」の第一章目撃者からの抜粋です。 目撃者(Witness)はすべてのものから解放された大いなる「自由」、「解放」として全てのものの背景(a great background)としてのみ…

恐怖に身を任せる5秒の方法

海外の連続ドラマ「LOST」は無人島(?)に飛行機が墜落し、展開するドラマですが、その第1話に医師のジャックがケガをして、背中の切り傷を麻酔なしで縫ってほしいと女性のケイトに頼む場面があります。墜落の恐怖も覚めやらない彼女、、震える指先で裁縫…