ウィルバー哲学に思う

「統合」の哲人ケン・ウィルバーにはじまり、仏教心理学的視点を取り入れたマインドフルネス、第三世代の認知行動療法ACT、アドラーなど、複雑系や脳科学的なアプローチも加味し、心理哲学的な関心について綴っています。

Witness(目撃者)

「目撃者の自己」と「複雑系の自己」

ウィルバーのいう「目撃者としての自己」と、ここ何回か記事で取り上げてきた「複雑系としての自己」を対比させて示せないかと考えて以下のような図を描いてみた。 上図は「目撃者としての自己」(目撃者の自己)の広がりを私なりに示したものだ。I(個人の…

徹底的な安心感とマトリックス

平成29年6月10日のブログで吉福伸逸氏のいうマトリックスのことを書いた。それはエネルギー源の提供、徹底的な安心感、排泄物の処理という3大機能をもち、子どもの成長とともに子宮から、母親、そして家庭、自然界や仲間、会社へと移行していく。 nagaalert.…

1/allではなく、all/allとして観るために

『〈仏教3.0〉を哲学する』のp218で藤田一照さんがいいます。 (以下引用) それで二つの自己というのを、すでに内山老師は言っていて、僕らは普通には1/all(オール分の1)という自分を自分だと思い込んでいるっていうんですよ。これが今までの議論だと平…

「自己ぎりの自己」とワン・テイスト

前回の続きです。 『〈仏教3.0〉を哲学する』p110に出てくる内山興正氏の描いた第5図について永井均氏はこう話されていました。 「わが生命」は中に入っていないで、外に出ているんです。その一員として何かヤリトリはしていないで、その様子を外から見てい…

〈私〉と、疑いようのない意識

ケンウィルバーの『存在することのシンプルな感覚』(The Simple Feeling of Being)は、訳者松永さんも言われたように最終章がたいへん素晴らしいのですが、私は「目撃者」とタイトルがふられた第1章にも大いにインスパイアーされました。その中に『〈仏教3…

〈自己=世界〉と「常に現前する気付きの意識」

『仏教3.0を哲学する』のp110、P111に描かれている第五図、第六図がとても興味深いです。この絵にあるような「自己ぎりの自己」すなわち〈自己=世界〉を実感を持って確立するためにはどうすれば、あるいは「どうあれば」いいのだろうかということを改めて考…

次元を行き来するヘキサキューブ、元旦の夢

新年あけましておめでとうございます。 元日に新しい会社の商号「経営マトリクス研究所」のマークの初夢を見た。これは正夢である。 2次元平面に描く正六角形(ヘキサゴン:hexagon)は、3次元の立方体(キューブ;cube)にも見えるという考えてみれば不思議…

人生への贈りもの、意識の野への贈りものに感謝して生きる

昨日は、娘の結婚式だった。素晴らしかった。感無量とはこのことを言うのだろう。 そして昨夜、2年前に何度も見たあの名作「素晴らしき哉、人生」が再放送されていたのでそのエンディング(自殺しようとしたジョージが天使に「彼が存在しなかった世界」を見…

無我とは本質なき実存、主体としての空

〈画像はintegrallife.comの Integral Mindfuinessより〉 藤田一照氏、永井均氏、山下良道氏鼎談『〈仏教3.0〉を哲学する』を見ております。 第1章に、「無我と本質と実存」という節があり、たいへん興味深く読ませていただきました。主に永井氏によるコメン…

生きかた「知縁」カフェ第3回についてのお知らせ

今年の9月25日に出版された3人の鼎談からなる『〈仏教3.0〉を哲学する』がとても面白いです!! このことを受けて、第3回の生きかた「知縁」カフェの3つ目のテーマとして、以下の内容を書き添えました。 「観察者としての自己」を取り上げ、藤田一照氏、永井…

第4回生きかた「知縁」カフェ

脳科学の視点を取り入れ、ウィルバー哲学、マインドフルネス、ACT、アドラー心理学などを横断的に学ぶ勉強会です。ソーシャルビジネスへの展開も視野に入れ、交流します。 【生きかた「知縁」カフェ第4回 内容】 ①今回のテーマ:最近のブログから「人類進化…

離れ内、重ね外

前回のブログで「離れ内、近く外(笑)」と書きました。長々と書き記したコンセプトを短い言葉で覚えやすいように、どう表現しようかと何回か修正したあげく、この表現に行きついたのでありました。 「はなれうち、ちかくそと」と読んでもらっていいのですが…

離れ内、近く外〜自己認識の変容〜

福は内、鬼は外 節分の豆まきの言葉であるが、家の玄関を境界として、幸福をもたらしそうなものはどうぞお入りください、不幸をもたらしそうなものはどうか外へ、という掛け声である。しかしながらそうすると、外の世界は鬼ばかりいる怖いところになってしま…

青空としてのわたし

このブログでいつも伝えたいと考えていることを「直球、ストライク!」という表現でタイトルになっている鎌倉一法庵住職の山下良道さんの著書「青空としてのわたし」を読みました。 良道さんはもともと曹洞宗僧侶でアメリガでの布教経験を経て、ミャンマーに…

スクリーンのような自己の本質

ウィルバーは著作の中で、映画のスクリーンを見ている観客の立場という喩えで、観察者としての自己(Witness)を解説していますが、前回紹介したスパイラのPresenceの中でも、自己の本質をスクリーンに喩えて解説している部分があります。 読んでみて、これ…

状態ではない静寂としてあること

ガンガジはその師であるプーンジャ(ラマナ・マハリシの弟子)から「止める」という教えを受けたといいます。 ガンガジの次の文章が大変印象的だったので紹介させていただきます。 (以下、the Diamond in your Pocketから引用) 私はよく、「どうすればこの…

非二元への扉、世界とぴったり重なっている私

まず、ウィルバーの「存在することのシンプルな感覚」の訳者あとがきで、松永太郎さんが書かれた文章を抜粋したいと思います。 (以下引用)この非二元への開眼は、恐ろしくシンプルで、誰にでも開かれている。徹底的に「平等」である。修行したり、勉強した…

概念としての自己をPRしている自分を見て笑おう

今回みていくのはACT(アクセプタンスコミットメントセラピー)の「観察者としての自己」です。ウィルバーのいうWitnessであり、目撃者、あるいは観照者と訳されています。このブログでは基本的に目撃者と書いてきました。これは、清水博先生のいう場所中心…

人生の繰り出してくる問いに意味を見出しながら生きる

生きていく意味が分かりません、生きていく意味があるのでしょうか?と、もし尋ねられれば自分はどう答えるだろうか。 1ヶ月ほど前の研修をきっかけに、ぼんやりとそんなことを考えていたのですが、山田邦男氏の「フランクルとの〈対話〉苦境を生きる哲学」…

観察者としての自己の成長

ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)を構成する6つの要素(注)のなかでは、「観察者としての自己」が最も重要なのではないかと思う。 「観察者としての自己」の視点が定着し成長するとどうなるのであろうか? ケン・ウィルバーの「存在する…

フローとマインドフルネス

このブログを読んでいただいている方からフロー状態とマインドフルネスな状態の違いについてコメント欄に質問がありました。ありがとうございます。興味深いテーマと思われましたので、以下に私の考えを書かせていただきます。 フローとマインドフルネスの違…

観察者としての自己による傾聴とヘルプ

ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)でいう『観察者としての自己』にとどまる(ウィルバーの表現では”Rest as the Witness”)ことが、ヘルプしようとする人の話を聴く姿勢としてもたいへん望ましいものである、ということがわかりました。 …

不快は追い払わず、息とともに観察する

ティクナットハンの「微笑みを生きる」(邦訳、池田久代)にはマインドフルネスのことが分かりやすく書かれています。 今回はその「感情の川」(p64)という節から、不快な感情とどう向き合えば良いかについて書かれている部分を紹介したいと思います。 (以下引…

自分はこんなものじゃない、と考えている自分

自分の中に、「自分はこんなものじゃない」と強く思っている自分がいる。 これはよい意味で、なのではなく悪い意味で、だ。 人に助言らしきことをいう機会があるが、そのときの自分の言動の中に、かなりの割合でそうした「自分はこんなものじゃない」という…

役割という分離にとらわれないでHELPする

中川吉晴さんの「ホリスティック臨床教育学」を読んでいてラム・ダスのことを知った。中川さんはラム・ダスのことをこう紹介している。 ラム・ダス(本名リチャード・アルバート)は、ハーバード大学教授をへたのち、インドで修業し、アメリカに帰国後は、瞑…

「無意識の回避」から「意識的な受容」へ

ACT(アクセプタンス・コミットメント・セラピー)の勉強を進めていて、あらためて思うのは、まず、われわれはネガティブな状況や出来事、そしてそれに反応する内面の現象を、無意識に避けようとする傾向があるということだ。 しかしそうではなく受け容れね…

マインドフルネスで包んだ後にくる洞察

ティクナットハンの「怒り」(岡田直子訳)を読んだ。 とても得るところが大きかったと思う。 恐れや怒り、不安、悲しみなどネガティブな感情(心的構成物)にどう向き合うか?が書かれていた。 その向き合い方はどの感情も同じだが、この本では特に人間関係を…

今日一日をどういう状態で過ごすか?Presenceの持続。

今日一日をどのように過ごすか?に答えを出したくて整理した。 一言でいうならば「Presenceを持続する」ことに尽きると思う。 右の図は、白く抜いている吹き出しが、マインドの働きである。 時間的にNowではないPastとFuture、空間的にHereではないthere、そ…

メンタルノイズを目撃する

“Eckhart Tolle & Sri Aurobindo”からトーレのいうEgoic Selfの特徴を見てきています。 Egoic Selfの特徴として上げられている項目は7つあります。 Fear―Insecurity Resistance―Complaining (既述) Needing Ever More―Desire(既述) Looking to the Next …

ウィルバーから日本の方々へのメッセージです!

ウィルバーからメッセージが寄せられたようです!うれしいですね。インテグラル・ジャパンのサイトから転載させていただきます。どのような境地でこの事に当たればよいかが伝わってきますね。 http://integraljapan.net/info/kw2011comment.htm 以下、鈴木規…