「春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて すずしかりけり」は良寛や川端康成も愛誦したという道元作の和歌ですが、映画の中では、たしか時頼との問答の中で一度道元が詠み、その後永平寺に帰る道元を見送るときに、時頼も詠んだと記憶しています。
ウィルバーの「存在することのシンプルな感覚」(松永太郎訳)のP159にこうあります。
道元禅師は祖師を引用して言う。
私がはっきりと認識したのは、心とは
山や川や、広大な土地、
月、太陽、星、
以外のものではないということだ。
まったく途方もないことである。全宇宙が、「私」となる。全宇宙
は究極の「それ」となる。
(引用ここまで)
このような意識から詠まれた歌だったのでしょう。これは2007年6月18日の日記「千の風になってと空なるあなた」に書いたことに通じます。自然と一体となったOne Tasteです。
もうひとつ同上のP158から引用します。
道元は言っている。
悠然と漂う雲は、哀れなるかな!
われわれは、皆、夢のなかを歩いている。
この偉大な可能性に、見覚めてみれば、
それはただ寺の屋根をたたく、黒い雨である。
たったの4行に非常に多くのものが盛り込まれています。
すばらしいですね!