ウィルバー哲学に思う

「統合」の哲人ケン・ウィルバーを中心に、仏教心理学的視点を取り入れたマインドフルネス、第三世代の認知行動療法ACT、アドラー、ポジティブ心理学など、複雑系や脳科学的なアプローチも加味し、「生命の躍動」の探求、心理哲学的な関心について綴っています。

あらゆる手立ては「それ」を遠ざけるだけ

ウィルバーの「存在することのシンプルな感覚」P265~P266から書きとめておきたい印象深い部分を抜き出しました。

あらゆる手立てというものが、実際には「それ」を遠ざけるだけのものであり、「それ」に対する抵抗であると本当に悟った時、抵抗のメカニズムは停止する。…
そう、分離した自己など最初からいなかったのだ、ということに気が付いたのだ。…
すべては池の面にたつ小波であり、すべては一者の身振りである。…
波乗りのようなものであって、…その分岐点は、結局、それまで人がやってきたすべてのことは、波をよけること、もっと大きな波はないかと、今の波に抵抗していることだと悟る時、やってくる。彼は最初から波に乗っていたのである。

 


原書も確認しましたが、やっぱり訳もすばらしいということですね。
帰ってくることができない無人島に一冊だけ本を持っていけるとしたら、やっぱりこの本、とあらためて思いました。

波をよけようとしていないか?もっと大きな波はないかと探していないか?

常に気づきをもって心がけたいと思いました。