ウィルバー哲学に思う

「統合」の哲人ケン・ウィルバーにはじまり、仏教心理学的視点を取り入れたマインドフルネス、第三世代の認知行動療法ACT、アドラーなど、複雑系や脳科学的なアプローチも加味し、心理哲学的な関心について綴っています。

Statesを管理する

実際のILPの実践は、ILP Blueprint という計画を左の表として作成し、ILP Weekly Tracking Logという一週間の実践結果を右の表として記録するという形を取ります。

私も年内は試行期間という気持ちで気軽に青写真を作って実践を始めました。計画する項目の中心は、コアモジュールである BODYモジュール、SHADOWモジュール、MINDモジュール、SPIRITモジュールの4つで、各々一つ以上の実践項目を設定すれば良いようです。

SPIRITモジュールには前回のブログで取り上げた「I AMマントラ瞑想」を、SHADOWモジュールには「The 3-2-1 Shadow Process」を私は記入してみました。MINDモジュールはインテグラル理論の勉強でも良いようなので「ILPの翻訳」と書き込み、それぞれ一週間にどのような頻度で実践するかを設定します。私は上記3項目については一日1回と書き込みました。

コアモジュールのほかにADDITIONALモジュールも設定しますが、これはparentingなど何をもってきても良いようです。


 そして本日書いてみたいのは、私がBODYモジュールで取り上げた、Subtle energy workです。

この表現は私が勝手につけた項目名ですが、内容としては「起きていながらSubtleエネルギーを作動させる」とし、頻度は「1日2回以上」としました。これは9月25日のブログに書いた「ネガティブな感覚を気づきのサインとして役立てる」をイメージした実践です。

瞑想ではなく、何かをしながら「Subtleエネルギーを感じる」あるいは「Subtle bodyにとどまる」ことを意識して、1日2回ぐらいは実践してみようと思ったのです。


 例えば昨日なら、自動車で高速道路を運転する時間があったので、その往復で2回クリアーしました。短い時間だとエレベーターを待っている間とか、信号待ちしているときなども可能ですし、正しい姿勢で本を読んでいるときでも実践可能な場合があります。
 そしてつい最近、ILPのP187のSubtle Body Practice for Your Inner Statesという節を読み、まさに「我が意を得たり」と思ったのです。その部分を抜粋します。(以下、抜粋拙訳)

あなたの内面の状態を管理するためのSubtle Bodyの実践


Subtle Bodyの実践は心と感情の状態を管理するための重要な道具を提供します。それらによって、あなたは主観性(subjectivity)を飛び越え、あなたの状態のエネルギーの特徴的な性質(energetic signature)に直接働きかけることができます。
 主観的な心配(左上象限UL)はあなたの機能する能力を阻害します。しかしながらもし、あなたが心配のエネルギーパターンを平静なものに転換することができるなら、その時あなたの状態もまた変化し、異なった選択の窓を開き、あなたがもっと本来的に意識的に行動できるようになるでしょう。

 
 

例えば、結婚している人々は彼らの状態が最悪であるとき、彼らが最高なときとは大変異なって配偶者に接することを知っています。あなたの夫は二つの日に全く同じように姿を見せましたが、あなたはすべての面で異なって振舞うでしょう。
 仮に、彼は不平と心配がいっぱいで帰ってきて、感情をぶちまけ、ほとんどあなたに何も尋ねもしないか、気づきもしないとしましょう。ある日では、あなたはエクササイズをして十分眠り、そして仕事で成功しました。その時、あなたはもっと慈悲深く愛情のこもったように感じるでしょう。あなたは彼を落ち着かせ、正しい見方を取り戻す(get perspective)ように助けます。
またある日、あなたは十分エクササイズもせず眠れませんでした。仕事を首になり、交通渋滞で身動きが取れませんでした。あなたは反抗するか攻撃し、サポートすることとは程遠く未熟なように振舞うでしょう

 

もし、悪夢のような日に、あなたの状態をそれが良い日のときの状態のように変えることができたらどうでしょうか?あなたの結婚にどんな影響を与えるでしょうか?あなたの決心に、あなたの人生にはどうでしょうか?
 Subtle bodyの実践は、もしあなたがその中で熟達のポイントをやり通すなら、はっきりとこれらのスキルを教えます。
 あなたがどの段階にいようと、あなたは常に感情と心の変動を経験します。あなたの今の状態―あなたの主観的状態とあなたの身体‐エネルギー的状態―はあなたが最高であろうと最悪であろうと、できる限り高い段階であろうと低い段階であろうと、あなたの下す決定を手伝う(help)ことになるでしょう。人生があなたを挑戦に投げ込むとき、あなたの発達段階と同じように、あなたの状態は、あなたがうまく反応するのに、大きな決定力をもつことができます。

 

 意識的な呼吸やconducting intensityのような実践を通して、内面の状態を管理(manage)することを学ぶとこは、あなたに役立つ最も統合的な意識からそれらの挑戦に対応する能力を、あなたに備えさせる(equip)でしょう。(抜粋ここまで)

 

少々荒っぽい(稚拙な)訳で大変恐縮、赤面至極ですが、内容としてはとても重要なことが書かれていると感じました。Subtle bodyの実践によって、「心配のエネルギーパターンを平静なものに転換することができる」のです。これってまさに、9月25日のブログに書いた「ネガティブな感覚を気づきのサインとして役立てる」ではありませんか。「悪夢のような日でも、あなたの状態をそれが良い日のときの状態のように変えることができる」可能性があるのです。


このことは3月1日のブログ「What to do ではなくHow to be」に通ずるところがあります。何かが起こって、あるいは起こるかもしれなくて、状態が悪いとき、私たちはどうしようか?と何をすべきか(What to do)を習慣的に、無意識に考えてしまいがちです。でも実はそうではなく、大切なのは、どう在るか(How to be)だということです。すまわち、まず状態(States)を立て直すことこそ優先であるということです。

どうすべきかが決まって、安心できてからStatesが改善されるのではなく、Statesを変化させてWhat to doの決定に活かすのです。
この具体的な方法を示しているのが上記の「内面の状態を管理するためのSubtle Bodyの実践」です。そしてそれをSubtle energy workとして1日2回以上を目標にやってみようというのが、今の私のILP Blueprint なのです。

以下に、この「Statesを管理する」ことに関連してMINDモジュールの中にあった文章を紹介して終わります。(以下、p104より抜粋、拙訳)

States of Consciousness (A Quick Tour)

五感を使って物質的な領域に触れましょう。あなたの周りの環境を御覧なさい。何が見えますか?どんなにおい、どんな味がしますか?あなた自身の呼吸の音のように現前しているどんな音にも耳を済ませてみましょう。あなたの粗大なbodyのどんな感覚にも気づきましょう。そこには、熱、・・・圧迫、・・・痛み、・・・重み、・・・かゆみ、・・・緊張、がありますか?あなたが意識の目覚めた状態を目撃するように、それらすべてが現前するのを許しましょう。

   

感情と密接な感覚にあなたの注意を払うことで、より微細な状態に移行し始めましょう。そこには悲しみ・・・、喜び・・・、心配・・・、興奮・・・、焦りがありますか?あなたの感情のエネルギーをどのように感じているでしょう?どんな部分でも、おそらくあなたの肌から数インチ離れたところでも、チリチリした感覚や振動、あるいはエネルギーへの集中を感じますか?あなたはあなたの回りのスペースのエネルギーを感じることができますか?
 じっとして、より微細に。あなたの意識を心の水面に向けましょう。そこには思い出がありますか?・・・アイデアが・・・イメージが・・・それとも衝動がありますか?過去の思考ですか未来についてでしょうか?さあ、より高い直感的な心のなかに入って感じましょう。あなたの頭の上でグルグル回るより微細なエネルギーを直接感じますか?あなたの視点を遠くからあなたの周囲のエリアに移しましょう。

 あなたの意識をもっと遠くに広げさせましょう。
 さあ、物質的な音、景色、感覚、微細な感情、エネルギー、考え、直感をどのように目撃することができ、感じることができるか気づきましょう。しかしあなたはそれらのどれとも同一化しないで。それらを近くに見てそれらはすべてimpermanent永久ではない(無常であること)ことを認識しましょう。真にあなたのいる、すでに現前する意識のなかに生起した、つかの間の対象であることを。それはまさにあなたである空間としての気づきの中で、すべてのことが生起していることを体験してください。静止にくつろぎましょう、空なるスペースにとどまり、まったき露呈の真如Suchnessとして。あなたは常に現前してきたOneです。変化することなく、動くことなく、波打つことなく。無形の気づき、静止、沈黙のcausal状態を感じましょう。限界もない、境界もない、根本的に自由で充実し、完全で、完璧な。

  

深く呼吸し、それを楽しみましょう。そしてさあ、あなたの注意を物質的な次元に戻しましょう。しかし、あなたが日中を過ごす間も、夢見や深い眠りの状態と関連したフローと開けの感覚につながったままで、いるようにしましょう。