ウィルバー哲学に思う

「統合」の哲人ケン・ウィルバーにはじまり、仏教心理学的視点を取り入れたマインドフルネス、第三世代の認知行動療法ACT、そして近年ブームのアドラーまで、脳科学的なアプローチも加味し、心理哲学的な関心について綴っています。

風船モデル

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感情とどう付き合うか?を考えていて、イメージとして出てきたのは風船です。

話した言葉、口に出した会話を図で示す場合に吹き出しが使われますが、心の中で思ったことなどの吹き出しには泡型の吹き出しが使われます。

例えば不安のようなネガティブな感情が生じた場合、それは一つの泡型の吹き出しの風船を膨らませたというイメージです。

そして、それを不快なものとして避けよう、不安の元となった事柄を考えないでおこうとすることは、この風船を脇へ追い払おうとすることでしょう。

しかし、それにもかかわらず、違う風船が次から次へと膨らんでいきます。避けようとすればするほど追い払おうとすればするほど。

一方で、風船の中に自分の頭が入り込んでしまう場合もあります。その不安という感情にどっぷりはまりこんだ状態です。風船の中に入ってしまっているので、自分が不安という感情を抱いていることにさえ気づきません。風船を客体化できないのです。

私たちは無意識でいると、常時いくつもの思考と感情の吹き出し風船を作り続けているのではないでしょうか。

大きいもの、小さいもの、思考だけのもの、思考と欲求の混ざったもの、思考と感情のブレンド…実に数多くの風船です。風船がいっぱいで青空などは見えていないかもしれません。しかも、それらの風船を無意識に握りしめているのではないでしょうか。

これらに対して、前回示した「感情を自己認識する」とは、そのような風船が発生したことに「気付く」(Awareness) ことです。それを無理に追い払ったり、あるいはその風船を割ろうとしたりはしません。

いわんや、自分が膨らませた風船の内側に頭が入ってしまうことでもありません。

無意識に風船を握りしめていたなら、その手の指に気付き、力を抜いて、風船を放してやります。

風船を外から眺めましょう。

いくつの風船があるでしょう。どんな大きさ、どんな色の風船があるでしょう。

追いかけたり、追い払ったりしないでおきましょう。

次から次へ膨らませるのもやめましょう。

手を離れた風船はどうなったでしょうか?

ゆっくりと飛んでいきます。近くに留まっている風船もあります。ゆっくり離れていく風船もあります。

でも次第に風船と風船の間が広がっていきます。

風船と風船の間のスペースに何が見えるでしょうか。

青空です。

青空が見えます。

青空になりましょう。

青空は意識です。

青空の中を風船が飛んでいきます。

青空はどこまでも広がっています。

これがspaciousnessの感覚です。

しかしいつも自分を撹乱する風船があるとしたら3-2-1Shadow Processを試してみましょう。

3―Face It. その風船と向き合います。

2―Talk to It.  その風船と話します。

1―Be It. その風船になります。



これまで認めてこなかった自分の願望が自覚できたでしょうか。


(参考ブログ)

Awareness、inhabitで脱habitual - ウィルバー哲学に思う

攪乱者 disturbance - ウィルバー哲学に思う