ウィルバー哲学に思う

「統合」の哲人ケン・ウィルバーにはじまり、仏教心理学的視点を取り入れたマインドフルネス、第三世代の認知行動療法ACT、そして近年ブームのアドラーまで、脳科学的なアプローチも加味し、心理哲学的な関心について綴っています。

AQAL、8つの姿

CORE INTEGRALから出ているDVD「Essential Integral」の中でPerspectives on AQALという項目があります。地図や枠組み、レンズとして説明されることの多いAQALですがここでは少なくても全部で8つの受け取り方があるよと言っています。国内でもAQALをさまざまに用いた議論が今後も増えていくかと思われますので、何かのときに役立ちそうなこの8つの姿を少し紹介しておきたいと思います。

Perspectives on AQAL(以下拙訳)

AQALはすべての人にとって異なるものとして姿を見せます。
・私たちはそれを地図として呼びたいが、他にも少なくとも7つのAQALの受け取り方があります。
・どれも他より正しいということはありません。
・各々が重要です。
・あなたには何が最も重要でしょうか?

MAP
AQALは地図です。それは実際の世界の複雑さを、簡易な表現として編集された、一連の象徴であり、抽象だからです。あなた自身の人生や経験、あるいは個人的、専門的な挑戦の複雑さの領域を案内するために使うからでもあります.

Framework
AQALは枠組みです。あなた自身と他者の両方の活動や信仰、価値観に索引をつけて体系化することができる空間を作り出すからです。AQALを枠組みとして私たちは明解かつ理路整然とこれを行えるだけでなく、あなたが遭遇するすべてのものを評価する、あるいは理解するための空間を提供してくれるのです。

Theory
AQALは理論です。長年かけて最も実証された方法論と、それらが成立する情報(data)がどのように一緒に適合し作用することが可能なのかといった説明を提供してくれるからです。これは、あなたが理論としてのAQALを使うことで、例えば地球温暖化を、実証主義の科学や意識研究、あるいは社会システム科学そして文化人類学によって理解することができるということです。

Practice
AQALは実践です。なぜならそれは偉大なる包含を可能とする指令あるいは特別な行為を提案するからです。実践としてAQALはあなたを、すべての重要な行為を同時追跡することへと導きます。それは、新しい仕事を獲得したり、あなたの肉体的精神的な潜在性を開発するような個人的、専門的な挑戦においてポジティブな行動を実現するために、あなたが選択できる重要な行為なのです。

Nexus
AQALは結びつきです。なぜならそれはあなたを他者と結びつけ、あなたがそれらの関係をもっと真正に、もっと深く経験するのを促します。AQALの要素はあなたそしてあなたが出会うすべての人の中で生起します。これらの要素をもっとよく理解することで、他者をありのままに理解し経験するでしょう。美しさと残りの私たちの混乱の両方を。

Matrix
AQALはマトリックスです。それは5つの最も重要な要素、象限、レベル、ライン、状態、タイプ、を世界の偉大な知識の伝統から選抜し、統一された構造へと結びつけます。それはリアリティのすべてが顕現し、説明される潜在性のスペースを生み出すのです。

Perspectives
AQALは一連の視点です。なぜならそれはあなたがホリスティックな態度で人生と世界を経験するために見通すことのできる1人称、2人称、3人称の視点あるいはレンズを用意するからです。

Catalyst
AQALは触媒です。なぜならそれは「精神活性的に」あなたの心身を精査し活性化します。あるいは未だ認識されていない未利用のあるいは除外されている潜在能力を「照らし出し」ます。触媒としてのAQALは、あなたの経験の重要な側面を置き去りにしていたり、重要な象限、レベル、ライン、状態、タイプの知識を忘れたりしている時、それをあなたに気づかせるのです。(拙訳ここまで)

いかがでしたでしょうか?私は団体の活動領域などを解釈する上でFrameworkとして以前はよく使用しました。そしてILPを学んでからは起こっている事象を4つのレンズを通してみるというPerspectivesに興味を覚えました。また最近は新しい事業を説明する上で、事業がターゲットにしている対象者を取り巻く内外4つの側面における問題点と、事業が提供するsolutionのメカニズムを各象限の相互作用として捉えて解説する上でAQALを使用しています。これなどは上の8つでいうとNexus的な色合いが強いのかもしれません。