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ウィルバー哲学に思う

「統合」の哲人ケン・ウィルバーにはじまり、仏教心理学的視点を取り入れたマインドフルネス、第三世代の認知行動療法ACT、そして近年ブームのアドラーまで、脳科学的なアプローチも加味し、心理哲学的な関心について綴っています。

ウィルバーから日本の方々へのメッセージです!

ウィルバーからメッセージが寄せられたようです!うれしいですね。インテグラル・ジャパンのサイトから転載させていただきます。どのような境地でこの事に当たればよいかが伝わってきますね。
http://integraljapan.net/info/kw2011comment.htm

以下、鈴木規夫さんの訳とウィルバーメッセージ原文です。

ケン・ウィルバー メッセージ
2011年 3月16日


 日本の方々に御挨拶を申し上げます。

統合的な生(インテグラル・ライフ)を生きようとこころみるとき、そこには常に浮き沈みがあります。統合的な意識をもつとは、より高い、よりひろい、より深い意識をもつということであり、より多くの視点とより多くの慈悲とより多くの愛をもつということを意味します。ですから、困難な事態が出現するときにも、心をひろく開きつづけ、すべてを抱きしめていくことが重要となります。

 これは福島の問題にもあてはまります。こうした問題の潜在的に壊滅的な性格は、われわれの目を閉ざし、われわれの意識を狭め、すべてをわれわれの心から押し出してしまうことになります。しかし、まさにそれこそが、われわれがしてはいけないことなのです。自己を閉ざしてしまう代わりに、われわれは自己を開いて、こうした恐ろしい状況下においても、心をひろく開きつづける必要があるのです。混乱のただなかにある揺るぎない静謐な目撃者は、われわれに、たましい(スピリット)としての自己を見出すことを可能とすると共に、また、われわれをたましい(スピリット)と直接に結びつけてくれます。そして、それは、本当に重要なことに、究極的に現実的(リアル)なことにわれわれを基礎づけてくれるのです。こうして、表面的な現象がそのおもむくままに単に訪れては去っていくなかで、あなたは、そのすべての自己であるところの、変わることのない源と基盤に錨を降ろしつづけることができるのです。

 五感がとらえることのできる現象を緩和するためにできることがあれば、何でもしてください。しかし、それらの中に息づく目撃者の中に錨を降ろしつづけてください。それにより、日々の現実(リアリティ)は「あなたをより傷つけることにはなりますが、それほど悩ますことはなくなるのです」。「より傷つけることになる」というのは、あなたがより敏感になっているからであり、それらについて意識をしているからであり、それらのすべてを受け容れることができるからです。あなたはそれらから逃げたり、隠れたりしないのです。しかし、それらはあなたを「それほど悩ますことはなくなる」のです。なぜなら、あなたはそれらと自己一致することを止めたからです。「これでもなく、あれでもない」("neti, neti," or "not this, not that")という全ての公平な目撃者としていつづけることができるのです。

 この困難なときのなかで、わたしの想いと祈りは、みなさんと共にあります。みなさまが真実の統合的(インテグラル)な自己のなかに安らぎ、できるかぎりのかたちで前進されていくことを御祈りしています!


 愛と光を御送りしながら
 ケン・ウィルバー



原文

From: Ken Wilber Sent: Wednesday, March 16, 2011 5:23 PM

Hello to my friends in Japan,

As one attempts to live an Integral Life, there are always ups and downs in the process. To have an Integral awareness means that you have a higher, wider, deeper awareness, with more perspectives and more care and more concern and more love. So even when difficult times arise, it's important to keep the heart and mind open and wide and embracing.

This goes for the troubles in Fukushima prefecture. The potentially devastating nature of these problems has a tendency to make one close one's eyes, narrow one's awareness, push the whole thing out of mind. But that's exactly what we shouldn't do. Instead of closing down, we need to open up, to keep heart and mind wide open even under these frightening circumstances. A steady, calm Witnessing in the midst of turmoil keeps one directly related to Spirit, as Spirit, and anchors one in what really matters and what is ultimately Real. That way, the surface phenomena can continue to simply come and go as they will, but you remain anchored in the unchanging Source and Ground and real Self of it all.

Do whatever you can to help with the surface phenomena, but remained anchored in their Witness, so that day-to-day realities "hurt you more, but bother you less." "Hurt more," because you are more sensitive, more aware of them and let them all in, you don't turn away or hide from them. But "bother you less" because you have ceased to identify with them, remaining "neti, neti," or "not this, not that" but the impartial Witness of them all.

My thoughts and prayers are with you all during these difficult times. May you rest in the real and integral Self and move forward as best you can!

Sending much love and light, Ken Wilber