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ウィルバー哲学に思う

「統合」の哲人ケン・ウィルバーにはじまり、仏教心理学的視点を取り入れたマインドフルネス、第三世代の認知行動療法ACT、そして近年ブームのアドラーまで、脳科学的なアプローチも加味し、心理哲学的な関心について綴っています。

すでにそうであることへ「抵抗する」傾向に気づく

エックハルト・トール Let it goまたはLet it be

A.S.Dalal博士はシュリ・オーロビンド研究の第一人者です。彼のA GREATER PSYCHOLOGYという著書ではケン・ウィルバーが巻頭言を書いたりしています。彼の著書でエックハルト・トーレとシュリ・オーロビンドの教えを対比させて書かれた本があります。最近、その著書の中で解説されているエックハルト・トーレの教えの要約がとても気に入っています。それを今後いくつか取り上げていきたいと思います。
以下、そのEckhart Tolle & Sri Aurobindo Two Perspectives on Enlightenmentからの抜粋、拙訳です。

抵抗―不満

いつもある脅威の感覚のために、エゴは人生を敵と見なし、怒り、不満、批判、あるいは判定といったネガティブな反応と抵抗の形でもって、出来事や自分を取り巻く環境に向かう傾向がある。

こうして人はいつも何かと闘い、今この瞬間に「ノー」ということを続ける。あたかも現実に絶え間ない問題があるかのように。

言いかえるなら、人はフレンドリーな宇宙や、宇宙に働いている慈悲深い智慧といつも調和しないで生きている。

私たちの通常の、あるいはエゴの意識では、私たちが現実といつも戦争をしている、という事実に気づいている人はほとんどいない。

こうして例えば、悪天候に不満をいうことさえ、それはたいていの人にはとても一般的なのだが、「何かすでにそうであること(what is)」への抵抗を含んでいる。

エックハルトの教えは、常に抵抗を表現している「不満」とは、どこでも見られる私たちの通常のエゴの意識である、という事実に気づかせてくれる。

エックハルトの現実に対するエゴの抵抗の描写は、個人の意志の無知な性質と、神聖な意志(Will)に個人の意志を明け渡すことを学ぶことについてのヨガの智慧へのより深い理解を与えてくれる。

エックハルトはいう。明け渡しは、「何かすでにそうであること(what is)」を受容することの中に横たわっている。人生の流れに対して全く愚かともいえる(insane)抵抗を放棄することなのだ。

人生に対する内なる抵抗をどのように手放すのか?エックハルトはいう。抵抗を目撃しなさいと。それが生起するとき今ここにありなさい。

そうすれば、それは意識的になる。無意識な抵抗を目撃することによって、そこから踏み出せる。

「何かすでにそうであること(what is)」を許すことによって、何らかの内なる自由と平安を感じ取ることができるようになるのだ。



一言でいうと、すでにそうである何かへ「抵抗する」自分の傾向に気づくことが大切であるということですね。