ウィルバー哲学に思う

「統合」の哲人ケン・ウィルバーを中心に、仏教心理学的視点を取り入れたマインドフルネス、第三世代の認知行動療法ACT、アドラー、ポジティブ心理学など、複雑系や脳科学的なアプローチも加味し、「生命の躍動」の探求、心理哲学的な関心について綴っています。

5つのポータル

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Dalal はPortals into Enlightenment という節で、エックハルトの提示する5つのポータルを取り上げています。(以下引用)

私が特に有用性を見出したエックハルトの教えのユニークな側面は、彼が直接にそして即座に(特定のテクニックの実践を行うことなく)心を超える意識に入るための「ポータル(portals)」と呼ぶもの、そして存在との接触を通して「悟りのテイスト」として述べる経験と関連している。

エックハルトはいくつかのこんなポータルについて話している。

Now あるいはPresence
彼は最も重要なポータルと考える。他のすべてのポータルのある部分を構成しているもの。Nowへと踏み込むことは、心と、止むことのない思考の流れから抜け出すこと。

Surrender
既にそうであることへの抵抗を手放すことがもう一つのポータル。人生の状況に左右されない自分自身の中にある何かへのアクセスを可能にする。


以下は、エックハルトによって指摘される3つのユニークなポータル。

Silence
外の世界の静けさ(silence)に意識を向けるとき、人は内面にstillnessを創造する。というのは、外の静けさに耳を傾けられるのは、内なるstillnessだけだから。

Space
存在しているすべてのものの中にあるスペースには形がない。人の本質は無形の意識である。スペースに気づくことによって、同時に純粋な意識に気づくようになる。なぜなら自分自身の中にある無形だけが外の空なるスペースに気づくことができるから。

The inner body
インナーボディにアテンションを当てることによって、(それは肉体的なからだに生命を与えている見えないエネルギーの場なのだが)存在との接触をはじめる。

特別な啓示として私に訪れるポータルは、思考の継続する流れの中にギャップを創造するときに存在する。特に自然(Nature)の助けによって。

自然への出入りは、よくエックハルトが口にするように、思考の流れにギャップを作り、内なる静寂(stillness)を経験するためのおそらく最も難しくない手段として私は銘記している。

花や木を見ること、そしてそのstillnessに気づくことは、彼自身が静止する(become still oneself)ことであると、エックハルトはいう。

私はエックハルトのいうポータルのコンセプトの中に、存在との接触としてエックハルトが描くものを、通常の意識から踏み出し日常の中で経験する、新しくてインスパイアリングな方法を見つけたのだ。(引用ここまで)

とてもシンプルですね。こうして並べてみると、本当にフェーミ博士のオープンフォーカスと似ているなあと、あらためて思います。

Surrenderについては

左上象限のSurrenderに符合する右上象限のα波 - ウィルバー哲学に思う

の通りです。

Spaceについては

「間」にフォーカスする - ウィルバー哲学に思う

に書かれています。

The inner bodyについては、オープンフォーカスの標準的なエクササイズは身体の中の様々なスペースを感じることからスタートします。これはインナーボディを感じることとほぼ同じといってよいでしょう。

The Motherのいうtrue consciousnessに入るためのエックハルト・トールのいう5つのポータルとオープンフォーカス。

シュリオーロビンドとエックハルト・トール、そしてオープンフォーカスがつながってきました♪