ウィルバー哲学に思う

「統合」の哲人ケン・ウィルバーを中心に、仏教心理学的視点を取り入れたマインドフルネス、第三世代の認知行動療法ACT、アドラー、ポジティブ心理学など、複雑系や脳科学的なアプローチも加味し、「生命の躍動」の探求、心理哲学的な関心について綴っています。

ホロン

病理的ヒエラルキーの温床としての家父長的家制度

『ノモンハン責任なき戦い』と題したノモンハン事件(1939年、日本の死傷者は2万人)のドキュメンタリー番組を見ていて、なぜこうした甘い見通しの無責任かつ服従的なヒエラルキーが出来上がったのか?いつから日本はこうなってしまったのか?という疑問が頭…

病理的・支配的ヒエラルキーとしての森友問題

昨日の元財務相佐川理財局長の証人喚問にまで至った一大スキャンダルの森友問題であるが連日の国会の答弁やマスコミに報道を目にしながら、これはウィルバーのいう「病理的・支配的ヒエラルキー」によって引き起こされた問題であると思った。 ヒエラルキー(…

リアリティは部分/全体であるホロンから構成されている

ホロンとは、アーサー・ケストラーが作った造語で、「ある文脈において全体であると同時に別の文脈で部分である単位のこと」を指します。 ケンウィルバー著「進化の構造Ⅰ」のp57にこう書かれています。 実在/現実(リアリティ)はモノあるいはプロセスか…

「生命の網(ウェブ・オブ・ライフ)」の混乱

私は以前、生命の網という考え方が大好きでした。すべての生命は繋がっている。にんじんから宇宙へ、循環、相互依存、多様性など、生態系の中に見られる法則こそ根幹の原則がある、自然は完璧、などなど…。しかし何か釈然としないものがありました。そうであ…