ウィルバー哲学に思う

「統合」の哲人ケン・ウィルバーを中心に、仏教心理学的視点を取り入れたマインドフルネス、第三世代の認知行動療法ACT、アドラー、ポジティブ心理学など、複雑系や脳科学的なアプローチも加味し、「生命の躍動」の探求、心理哲学的な関心について綴っています。

すべてのQuadrantsに気づく

ウィルバーのIntegral Life Practiceの5章The Mind ModuleのなかのQuadrantsの節を読んでいて、気づきました。

Eckhart Tolleの「Inner Bodyを意識する」をきっかけにして、「気づきを四象限すべてに、すばやく広げれば良い」のだと。

以下、Quadrantsの節から引用します。

・・・同様に、四象限は二つの単純な区分により、全てのもののおさまるスペースを作り出します。

1.内面(考え、感覚、意味、瞑想的体験を含有)と外面(原子、脳、身体、態度を含有)

そして

2.個(おのおの異なった形式と体験をもつ)と集合(文化的グループやシステムの中で共に相互に関係する)

 この二つの区分を作るとき、同時に四つの次元あるいは世界空間が現れます。第3章ですでに見てきたI, We, It, Itsです。
 Integralなヴィジョンは、左上象限の意識や影から、左下象限の文化的価値や人間関係、右上象限の個人の態度や生理学的要因、右下象限のエコロジカル、経済技術的システムまで、この惑星において、そしてわれわれ自身の意識のなかで、各々四つの象限でどのようにリアリティが相互貫通し、毎瞬、生起しているかを見ます。
 たしかに、四象限によって表現される四つの次元はすべての人生の状況において現前しています。あなたが今朝、オフィスビルへと歩いているところを想像してみてください・・・。

 左上象限、個人の内面、「I」スペース:あなたは今日の大きな会合について興奮と少々の神経質さを感じています。どう準備をすればベストかという思考が頭のなかを駆けめぐります。


 左下象限、集団の内面、「We」スペース:あなたはなじみのあるオフィスに入ります。そこは毎日、腹蔵なく話し合われ、暗黙のうちに分かち合った意味、価値、期待がカルチャーとして存在します。


右上象限、個人の外面、「It」スペース:あなたの身体的な態度(動作)は明らかです。歩いています。おはよう!と手を振ります。ドアを開けます。机に坐ります。PCを返して、上に乗せます。脳の活動性、心拍数、発汗は重要な会合が近づくにつれ、増大します。


右下象限、集団の外面、「Its」スペース:エレベーター(数マイル離れたところで生産された電気によって動きます)は、あなたをあなたのフロアーまで持ち上げます。あなたは容易になじみのオフィス環境に歩いていき、デスクに着きます。会社のイントラネットにログオンし、数ヵ所の国際市場における最近の売上高を確認します。

あなたが見たように、現象は全部四つの次元で同時に起こります。四象限はすべて今の体験のなかで、共同生起(より厳密には四点生起)するのです。

その上、ILPは四象限におけるあなたという存在の見方をエクササイズします。ILPはそれら全部に気づくことによってサポートされます。:あなたの個人の内面「I」、あなたの個人の外面「It」、あなたの集団の内面「We」、あなたの集団の外面「Its」、それらは、毎瞬、常にすでに現前しているのです。


あなたがILPそして実践の人生に従事するとき、リアリティのある部分に排他的に焦点を合わせ、残りを放っておくことで、自分がいくつかの点で一つあるいはそれ以上の象限を「忘れている」ことに気づくかもしれません。

Integralな枠組みが第二の習慣(第二の天性)になる時、あなたはもっと容易に状況の四つの次元すべてを認識できるようになるでしょう。(拙訳引用ここまで)

 

このオフィスビルへと歩いているところの視覚化の例は、分かりやすかったです。

そうです。いつでもどこでも、四象限で状況を見ることができるのです。Inner Bodyは右上象限のsubtleなStatesに関連すると思われますが、これはMilton’s SecretにあるようにNow, Hereに意識を戻すためのきっかけにできます。

そしてその時に「今ここ」を四象限全部で感じればいいのです。左上象限のNow-here、左下象限のNow-here、右上象限のNow-here、右下象限のNow-here、です。IntegralなNow-hereです。少し試してみたいと思います。