ウィルバー哲学に思う

「統合」の哲人ケン・ウィルバーを中心に、仏教心理学的視点を取り入れたマインドフルネス、第三世代の認知行動療法ACT、複雑系や脳科学的なアプローチも加味し、「生命の躍動」の探求、心理哲学的な関心について綴っています。苦悩を乗り越えるヒント、自己実現、自己超越を促す一助となれば幸いです。

ミヒャエル・エンデ

Never Ending Story

田坂さんは死の虚無感が無意識に与えるダメージを述べ、科学と融合した新しい宗教的叡知の必要性を訴えている(『死は存在しない』田坂広志著 p335-337)。ミヒャエル·エンデのネバー·エンディング·ストーリーを思い出した。虚無(The Nothing)によって蝕まれ…

ポイエーシス的な働き方

NHK「100分de名著」昨年12月の名著はレヴィ=ストロースの『野生の思考』であった。 この概念を伝えるのは難しいのではないかと思われたが、中沢新一氏の巧みな解説と伊集院氏のコメントがよく効いて興味深く見ることができた。今朝その第4回目を見直してい…

灰色の男たちの罠から抜け出し、ゆっくり動こう

ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)とこのブログで取り上げた過去のテーマとの関連を見ています。今回はACTの4つ目のコアである「今この瞬間との接触」です。私がごくごく簡単にまとめたACTのまとめは次のようなものです。 ACTその4 今こ…

マインドフルネスの日

今回はティクナットハンのThe Miracle of Mindfulnessという本から、「マインドフルネスの日」を紹介したいと思います。きっとマインドフルネスに対するイメージが広がると思います。(以下引用拙訳) A Day of Mindfulness 毎日、毎時間、人はマインドフル…

なぜ、書道は、書「道」か?

昨夜、眠りにつく前に 書道がなぜ書「道」なのか? なぜ「道」がつくのかが分かった!と思った。 私は、道がつくものはタオへとつながるもの。 究極への道。タオへの道。 であると、もともと考えていた。 ラストサムライで剣の極意としてNo mindを学ぶシーン…

お金への強迫観念は空性への抑圧から

David LoyのLack and Transcendenceの第5章Trying to Become Realという章を読んでいます。彼がこの本の中でキーワードとしている個人の「欠乏の感覚(a sense of lack)」は、広く社会行動や制度の集合的な無意識に組み込まれていると言います。中世の終わ…

ネガティブな瞬間にこそ実践を選択する能力

「実践インテグラルライフ」(春秋社)のP477からP480にある「シンプルさを保て」という節に目を通し、大変興味深いと感じました。原著の「Integral Life Practice」ではP362からP364に対応しています。著者が喫茶店でアルバイトをしていた時の実例も描写され…

『モモ』の道路掃除夫ベッポのことばと「行為の質」

なあ、モモ、 とっても長い道路を受けもつことがよくあるんだ。 おそっろしく長くて、これじゃとてもやりきれない、こう思ってしまう。 ・・・ いちどに全部の道路のことを考えてはいかん、わかるかな? つぎの一歩のことだけ、つぎのひと呼吸のことだけ、 …