ウィルバー哲学に思う

「統合」の哲人ケン・ウィルバーを中心に、仏教心理学的視点を取り入れたマインドフルネス、第三世代の認知行動療法ACT、アドラー、ポジティブ心理学など、複雑系や脳科学的なアプローチも加味し、「生命の躍動」の探求、心理哲学的な関心について綴っています。

2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

Milton's Secretと「二本の矢」

エックハルト・トールが子ども向けに書いたMilton’s Secretという絵本があります。ベストセラーThe Power of Nowのエッセンスがたいへん分かりやすく書かれているので、子ども向けにもお勧めなのですが、そこで主人公のMiltonが気づくことと、小児がんのサバ…

心理社会的支援で見落とされるもの

いわゆる「小児がんの心理社会的支援」ということについて気がついたことがあります。たとえば患児に対するケアを考えた場合に、身体面の治療のみならず、心理面でのケア(メンタルケア)そして社会的な支援(ソーシャルサポート)を合わせて提供することで…

ゴスペル・クワイアの至高体験

「インテグラル理論と実践が自分にどう役立ったか」を考えていて、先週お会いしたhuman noteという団体の活動の源泉にマズローのいう「至高体験(perk experience)」があるのだという洞察は、ごく最近インテグラル理論が役立った事例の一つだとあらためて思…

インテグラル理論とその実践がどう役立っているのか

昨日は京都でケン・ウィルバー勉強会に参加しました。その帰りに思いついたことは、「インテグラル理論とその実践が自分にどう役立っているか」について、参加メンバー各自が発表する時間を10分ずつでも、もてばいいのではないか?ということです。 発表する…

AQAL、8つの姿

CORE INTEGRALから出ているDVD「Essential Integral」の中でPerspectives on AQALという項目があります。地図や枠組み、レンズとして説明されることの多いAQALですがここでは少なくても全部で8つの受け取り方があるよと言っています。国内でもAQALをさまざ…

Absorptive−Witnessingその2、主客転倒せよ!

前回の続きです。 アイデンティティの最も高いStageであるAbsorptive−Witnessing段階の特徴の二つ目は、「目撃認知へのアクセスの増加」(Increased Access to Witnessing Cognition)です。P153のこの節を読み、これと関連したP77の「認知の発達ライン:ポ…

Absorptive−Witnessingその1、焦点を移行する

MARK D.FORMANのa guide to integral psychotherapyという本からP150「Stage6:Absorptive−Witnessing:段階、病理、同一化の特徴」という節を見ています。 (以下抜粋拙訳) ウィルバーは著述を通じてある考えを強調してきました。それは社会的規範を超え…