ウィルバー哲学に思う

「統合」の哲人ケン・ウィルバーを中心に、仏教心理学的視点を取り入れたマインドフルネス、第三世代の認知行動療法ACT、アドラー、ポジティブ心理学など、複雑系や脳科学的なアプローチも加味し、「生命の躍動」の探求、心理哲学的な関心について綴っています。

2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

コぺルの鏡で、こころの闇から抜け出す

このブログでも過去に何回か取り上げたことのある清水博先生の作品『コペルニクスの鏡』いのちの居場所に、いのちを使う - ウィルバー哲学に思う を読み返していて、新たな発見や深く感じ入るところなどが多くありました。 今回はその序盤から少し紹介させて…

スクリーンに映った過去、未来、あなた、彼

前回のブログで わたしたちは、記憶や言葉のおかげで現在の直接経験だけではない、過去の経験、未来の経験を、私の経験だけではない、あなたの経験、彼の経験を生きてしまっているのだ。 と書いた。しかしこの表現はやや混乱していることに気づいた 直接経験…

二種類の現在と直接経験

入不二基義さんの『ウィトゲンシュタイン~私は消去できるか~』(NHK出版)のなかにウィトゲンシュタインのいう現在および直接経験についての解説が興味深かったので、ここに紹介させていただく。(以下p75~p76から引用) 物理的な事実と直接経験の違い…