ウィルバー哲学に思う

「統合」の哲人ケン・ウィルバーを中心に、仏教心理学的視点を取り入れたマインドフルネス、第三世代の認知行動療法ACT、複雑系や脳科学的なアプローチも加味し、「生命の躍動」の探求、心理哲学的な関心について綴っています。苦悩を乗り越えるヒント、自己実現、自己超越を促す一助となれば幸いです。

ウィトゲンシュタイン

二種類の現在と直接経験

入不二基義さんの『ウィトゲンシュタイン~私は消去できるか~』(NHK出版)のなかにウィトゲンシュタインのいう現在および直接経験についての解説が興味深かったので、ここに紹介させていただく。(以下p75~p76から引用) 物理的な事実と直接経験の違い…

非二元への扉、世界とぴったり重なっている私

まず、ウィルバーの「存在することのシンプルな感覚」の訳者あとがきで、松永太郎さんが書かれた文章を抜粋したいと思います。 (以下引用)この非二元への開眼は、恐ろしくシンプルで、誰にでも開かれている。徹底的に「平等」である。修行したり、勉強した…

非‐時間、非‐空間としての「今、ここ」

眠る前にいつものように「存在することのシンプルな感覚」を読み返していて、「ここはちょっとマークしておかないと」と思い、さらに翌日、「そうか分かりやすいな、ここ」「原文はどう書かれているのかな」「いままで見たなかで一番完璧な『今、ここ』の説…