ウィルバー哲学に思う

「統合」の哲人ケン・ウィルバーを中心に、仏教心理学的視点を取り入れたマインドフルネス、第三世代の認知行動療法ACT、アドラー、ポジティブ心理学など、複雑系や脳科学的なアプローチも加味し、「生命の躍動」の探求、心理哲学的な関心について綴っています。

2017-06-01から1ヶ月間の記事一覧

マトリックスと共同体感覚

ケン・ウィルバーの『意識のスペクトル1・2』『アートマン・プロジェクト』『無境界』などを翻訳された吉福伸逸氏の遺稿でもある本書。『世界の中にありながら世界に属さない』というタイトリルに惹かれ、1年ほど前に購入しました。 そしてこの数日、再び目…

本質の無化から、無「本質」的分節へ

前回に引き続き井筒俊彦の『意識と本質』を見ていく。 本論に入る前に、井筒の使用する「分節」あるいは「無分節」ということばであるが、『意識の形而上学~大乗起信論の哲学』のなかでこう解説されている。 仏教古来の術語に「分別」という語があって、ほ…