ウィルバー哲学に思う

「統合」の哲人ケン・ウィルバーを中心に、仏教心理学的視点を取り入れたマインドフルネス、第三世代の認知行動療法ACT、アドラー、ポジティブ心理学など、複雑系や脳科学的なアプローチも加味し、「生命の躍動」の探求、心理哲学的な関心について綴っています。

2012-01-01から1ヶ月間の記事一覧

絶対肯定としての「トンパ・ニ」

ミンゲールの「今、ここを生きる:The Joy of Living」の 第4章 空―実在を超えた実在 のP80で「空」のことがこう説明されている。 心をただ休める時に経験する広々と開いた感覚を、仏教では「空」と呼んでいます。・・・「空」という言葉を「無」("the Void” o…

心の部屋に灯りをつけるマインドフルネス

ミンゲールのJoyful Wisdom(邦訳書は未刊)の第2章に、パリのろう人形ミュージアムでのエピソードが書かれている。 ダライ・ラマのろう人形の隣に立っていたミンゲールを、ろう人形だと思い込み、ダライ・ラマとのツーショットの写真を撮ろうとした観光客…

”Compassion”インドラ網である自分を感じる

宮沢賢治の「インドラの網」の中に書かれている表現は次のようになっている。 「ごらん、そら、インドラの網を。」 私は空を見ました。いまはすっかり青ぞらに変わったその天頂から四方の青白い天末までいちめんはられたインドラのスペトル製の網、その繊維…

調子を良くする「おーとっと」

年末から、自分にとって尊い(?)感覚をいくつか思い出していた。 中学の頃、卓球をしていた時のあの感覚。腹が入っていて、どこに打って来られても返せる感覚。映画「フォレスト・ガンプ」の卓球のシーンを見ると思い出す。そんな感じ、そんな感じだ。 小…

習慣的な脳神経回路を書き換える

ヨンゲイ・ミンゲール・リンポチェのThe Joy of Livingの邦訳書「今、ここを生きる」を読んでいる。本書は翻訳家、松永太郎氏の最後の書である。全18章までの12章を松永さんが訳され、そこで止まっていたものを今本渉氏がその後を訳され、PHP出版から昨年9月…