ウィルバー哲学に思う

「統合」の哲人ケン・ウィルバーを中心に、仏教心理学的視点を取り入れたマインドフルネス、第三世代の認知行動療法ACT、アドラー、ポジティブ心理学など、複雑系や脳科学的なアプローチも加味し、「生命の躍動」の探求、心理哲学的な関心について綴っています。

2024-01-01から1年間の記事一覧

目撃者と火の鳥のまなざし

2000年以降の人生で、私がもっとも救われたのは、ウィルバーの「目撃者」(Witness)である。この週末にも、エゴの情動を揺さぶる穏やかならぬ小さな出来事があった。そこで枕元の『存在することのシンプルな感覚』第1章「目撃者」を再読した(何百回目かの再…

虚無感すらも無い

前回のブログで「虚無感すら無い」と書いた。これは、 「何も無い」(すなわち虚無)でも「何もないのでも無い」 という絶対否定を表した言葉だ。 「何もない」と聴くと、あるはずのものが全て失くなるような、あるいは私という存在がなくなってしまうような暗…

Never Ending Story

田坂さんは死の虚無感が無意識に与えるダメージを述べ、科学と融合した新しい宗教的叡知の必要性を訴えている(『死は存在しない』田坂広志著 p335-337)。ミヒャエル·エンデのネバー·エンディング·ストーリーを思い出した。虚無(The Nothing)によって蝕まれ…