ウィルバー哲学に思う

「統合」の哲人ケン・ウィルバーを中心に、仏教心理学的視点を取り入れたマインドフルネス、第三世代の認知行動療法ACT、アドラー、ポジティブ心理学など、複雑系や脳科学的なアプローチも加味し、「生命の躍動」の探求、心理哲学的な関心について綴っています。

2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ことば、そして「関係づける能力」の功罪

7月14日の「マインドフルネスで包んだ後にくる洞察」に対して、ACTと似ていますね、とコメントをくださった方があった。 ACTとはアクセプタンス・コミットメント・セラピーの略で「第三世代の認知行動療法」と呼ばれているとのこと、早速、”Get Out of Yo…

マインドフルネスの日

今回はティクナットハンのThe Miracle of Mindfulnessという本から、「マインドフルネスの日」を紹介したいと思います。きっとマインドフルネスに対するイメージが広がると思います。(以下引用拙訳) A Day of Mindfulness 毎日、毎時間、人はマインドフル…

マインドフルネスで包んだ後にくる洞察

ティクナットハンの「怒り」(岡田直子訳)を読んだ。 とても得るところが大きかったと思う。 恐れや怒り、不安、悲しみなどネガティブな感情(心的構成物)にどう向き合うか?が書かれていた。 その向き合い方はどの感情も同じだが、この本では特に人間関係を…

われわれは経験のありのままを見ていない

前回まで五蘊をテーマにしてきましたが、今回は脳神経学的な観点との対比によってこれを考えてみたいと思います。以下はミンゲールの“Joyful Wisdom”のThe Reality of Perspectiveという節からの引用です。(P66~p69)。 私がさまざまな科学者との議論を通…

五蘊その5「識」―Consciousness

五蘊の無常、無我、相互依存性を看破する やっと五蘊の最終回です。今回は五蘊の5番目の「識」(Consciousness)とは何かということと、五蘊全体のまとめについてティクナットハンの解説を見てみたいと思います。 以下“The heart of the Buddha’s Teaching”p…