ウィルバー哲学に思う

「統合」の哲人ケン・ウィルバーを中心に、仏教心理学的視点を取り入れたマインドフルネス、第三世代の認知行動療法ACT、アドラー、ポジティブ心理学など、複雑系や脳科学的なアプローチも加味し、「生命の躍動」の探求、心理哲学的な関心について綴っています。

2016-01-01から1年間の記事一覧

人生への贈りもの、意識の野への贈りものに感謝して生きる

昨日は、娘の結婚式だった。素晴らしかった。感無量とはこのことを言うのだろう。 そして昨夜、2年前に何度も見たあの名作「素晴らしき哉、人生」が再放送されていたのでそのエンディング(自殺しようとしたジョージが天使に「彼が存在しなかった世界」を見…

人類進化から見た本来の育児は「共同養育」

昨日(12月7日)のNHK朝ドラ「べっぴんさん」を見ていて、あーこれは「共同養育」のことを言っているなと思いました。 喜代:どうしても手のかかる子はいます。いい悪いやなくて、人の何倍も手のかかる子はいるんです。昭一:どうしたらいいんでしょう?喜代…

「経営マトリクス研究所」

姫路市においていた有限会社をこちら(大阪府茨木市)に移転登記し、ついでに商号も変えて、年初に再出発しようと先月からいろいろと考え抜いて、決めた社名が「経営マトリクス研究所」である。 「経営」はともかく、なぜ「マトリクス(orマトリックス)」な…

無我とは本質なき実存、主体としての空

〈画像はintegrallife.comの Integral Mindfuinessより〉 藤田一照氏、永井均氏、山下良道氏鼎談『〈仏教3.0〉を哲学する』を見ております。 第1章に、「無我と本質と実存」という節があり、たいへん興味深く読ませていただきました。主に永井氏によるコメン…

これらは実は〈中〉だった!クラインの壺の神秘

眼から外の世界に見えているもの テーブル、椅子、棚、床、窓、カーテン、外の景色、自分の手足 などなどのこれら 両腕を後ろに回して、手の甲を重ねてみる 蝶が翅を閉じているときのように そこから、ゆっくりと、巨大な岩の扉を開くように 周りに見えてい…

生きかた「知縁」カフェ第3回についてのお知らせ

今年の9月25日に出版された3人の鼎談からなる『〈仏教3.0〉を哲学する』がとても面白いです!! このことを受けて、第3回の生きかた「知縁」カフェの3つ目のテーマとして、以下の内容を書き添えました。 「観察者としての自己」を取り上げ、藤田一照氏、永井…

Meditationの測定?

高額なEEG(脳波、Electroencephalogram)測定器でなくとも何とか参考になる程度でもいいからマインドフルネス瞑想の状態を確かめたいと思い、MUSEというヘッドバンド方式の簡易測定器を購入して試行中です。 スマートホンにアプリをダウンロードして、額に…

アテンションのスタイルを自在に選択する

前回のブログでフェーミ博士の唱えるアテンションのスタイル「ディフューズ/オブジェクティブ」「ディフューズ/イマースト」とあわせて、次回に「前景と背景を等しく見る」を取り上げる、と書きましたが、それに先立ちまして、フェーミ博士の唱える「オープ…

状況とシンクロする、全体に整合する

マイケル・キャロルの『THE MINDFUL LEADER』を読んでいて、特に注目したのはPART3に出てくる「環境とシンクロする」あるいは「状況とシンクロする」という言葉です。 言うまでもなくユングの唱えたシンクロニシティの意味合いをも含んだ言葉であると考えら…

無所住心で囚われを捨てる

NHKスペシャルの「キラーストレス」とEテレの「マインドフルネス」が放送された直後に出版された熊野宏昭さんの「実践マインドフルネス」に、脱フュージョンの次のステップとして、「場としての自己=注意を無数に分散する」という実践が紹介されています。 …

第4回生きかた「知縁」カフェ

脳科学の視点を取り入れ、ウィルバー哲学、マインドフルネス、ACT、アドラー心理学などを横断的に学ぶ勉強会です。ソーシャルビジネスへの展開も視野に入れ、交流します。 【生きかた「知縁」カフェ第4回 内容】 ①今回のテーマ:最近のブログから「人類進化…

国立がんセンターでACT外来が!(生きかた「知縁」カフェ第1回のPR)

国立がんセンターに「ACT外来」ができています。これは正直驚きました。しかも保険診療です。www.ncc.go.jp 内容を以下に転載させていただきます。 ACT外来では、ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)を通して、(1)がん体験に伴って生じる悩みと…

マインドフルネス・ムーブメントが日本に?

2016年8月5日発行の精神療法~特集マインドフルネスを考える、実践する~が本日届きました。 寄稿されている先生方のうち、名前を存じている方も多く、書籍を読んだり、勉強会で取り上げたり、直接学んだりした内容もあってたいへん興味深いです。 まず、「…

過去との共同体感覚

6月26日に「未来との共同体感覚」について書きましたが、今回は「過去との共同体感覚」について下記のブログにアップしました。 エスビューロー事務局長のブログ: 過去との共同体感覚 同じ内容をそのままこちらのブログにも以下に掲載します。 過去との共同…

脳科学で証明されるマインドフルネスの効果

昨日NHKで放送されたサイエンスZEROに熊野宏昭氏(東京大学博士(医学)で現在早稲田大学人間科学学術院教授、応用脳科学研究所所長)が出演し、マインドフルネスの最近の科学的な知見について解説がありました。 番組では、まず仕事の効率化やストレス低減…

なぜ「他者への関心」がうつに効くのか?(知縁カフェ予告編)

先日、私どものNPOが主催した岸見一郎氏の講演会で「他者への関心(social interest)」をもつことは、「うつ」に効果があるという話が聞かれました。 なぜ、アドラー心理学でいう「他者への関心」が、「うつ」に効いたりするのでしょうか? 来月から始まる…

生きかた「知縁」カフェ、はじめます!

勉強会「生きかた知縁カフェ」第1回(9/17)を開催します。 知的好奇心が強く心理哲学的なアプローチと脳科学など最新の科学を融合させたい定年前後のシニアの方々の参加を想定していますが、「生きかた」に関心のある方ならどなたでもOKです。 NPOの審査や…

未来との共同体感覚

NHKの「100分de名著」2月の放送は、昨今ブームのアドラーが取り上げられました。解説はベストセラー「嫌われる勇気」(135万部)の著者で哲学者の岸見一郎氏です。25分(番組)×4回=100分で名著を読み解いていきますが、その第4回のテーマは「共同体感覚」…

エネルゲイア、それは「生命の躍動」を感じて生きること

岸見一郎氏の「嫌われる勇気」を読んで、終盤に出てくる「エネルゲイア」という言葉に注目しました。 このブログに書いている、「今ここ」「プレゼンスの持続」「マインドフルネス」「道」などとの共通性を感じましたが、今回は「生命(いのち)の躍動」との…

ブログ移行中です。

このブログは現在移行中です。 http://blog.zaq.ne.jp/nagamasa/ 上記のブログサービスが12月で終了するため、漸次移行を行っておりまして、文章については移行が完了したが、画像とリンクについてはまだ移行中です。 もし以前のブログをお読みになる場合…

微かだが大切な、内なる躍動

朝から、長引く風邪に体調もすぐれず、諸事あまり良いとは言えない状況にあって、気分もやや落ち込んでいた。 年末年始に掴みかけていたあのビジョン、意欲、情熱は、もはやいずこに過ぎ去ったかと思われた。 しかし・・・、おっと、そうであった。 こういう…

『寛容論』を実践する、すなわち脱ペインボディ。

昨年1月のパリのテロの後、フランスの思想家ヴォルテール(1694-1778)の著書である『寛容論』が10万部のベストセラーになったといいます。 今月の2日に放送された『100分de平和論』で作家の高橋源一郎さんが取り上げた名著です。 トゥールーズのプロテスタ…