ウィルバー哲学に思う

「統合」の哲人ケン・ウィルバーを中心に、仏教心理学的視点を取り入れたマインドフルネス、第三世代の認知行動療法ACT、アドラー、ポジティブ心理学など、複雑系や脳科学的なアプローチも加味し、「生命の躍動」の探求、心理哲学的な関心について綴っています。

Never Ending Story

田坂さんは死の虚無感が無意識に与えるダメージを述べ、科学と融合した新しい宗教的叡知の必要性を訴えている(『死は存在しない』田坂広志著 p335-337)。

ミヒャエル·エンデのネバー·エンディング·ストーリーを思い出した。虚無(The Nothing)によって蝕まれていくファンタージエンを救おうと物語の中に入ってしまった少年の冒険譚だ。

「虚無感すら無い」というのが「絶対否定」的な私の持論であるが、量子真空は真空エネルギーをもっていることから、死後は真空エネルギーそのものになるのではないか、そして充溢の感覚に満たされるのではないか、以前からそんな風に想像していた。それは「空」の感覚だ。

しかし、量子真空に宇宙開闢以来138億年の全ての情報が記録されているならば、しかもホログラム原理によって全体が部分に折り畳まれているならば、煌めくような知性が意識に流入するのではないか。

そして「私」は全体となる。

しばし留まり、どのくらい時間がたったのかわからないある時、Elan Vitalが惹き起こすゆらぎによって、素粒子が生まれるごとく、再び個としての生命を得る。そして誕生する。新たな人生が始まる。

こうして終わりのない物語が続いていく。

Never Ending Story

今年の初夢、はてしない物語。 

 

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