ウィルバー哲学に思う

「統合」の哲人ケン・ウィルバーにはじまり、仏教心理学的視点を取り入れたマインドフルネス、第三世代の認知行動療法ACT、アドラーなど、複雑系や脳科学的なアプローチも加味し、心理哲学的な関心について綴っています。

水平軸から垂直軸に、立ち位置を変える

先日の小児がん脳腫瘍全国大会でフランクル研究の第一人者である山田邦男先生に「実存的苦悩とどう向き合うか」についてお話しいただきました。


実存的苦悩とは何かをふまえた後で、「実存的苦悩をいかにして克服するか」について、いくつか文献や例を挙げながら丁寧にお話しいただきました。

そこで示された苦悩の克服方法の1つに「水平軸から垂直軸へ価値観を転換する」というものがありました。


水平軸とは
相対的、有限、物質的、相克的

垂直軸とは
絶対的、無限、精神的、相乗的


水平軸とは
富、地位、学歴、美貌、健康など

垂直軸とは
こころ、愛、美、真理など


水平軸とは
自己中心的、我欲的

垂直軸とは
存在中心的、無我的


水平軸とは
自分のため

垂直軸とは
自分は何のために


水平軸とは
「私は人生から何を期待できるか」

垂直軸とは
「私は人生から何を期待されているか」


水平軸とは
苦しみの原因

垂直軸とは
喜びの源泉

実際には先生はレジュメで表にまとめられており、それを説明いただきました。

私なりに解釈すると
①②は無常である「色」から、絶対である「空」へのシフト
③④はウィルバーのいう倫理のステップを上がること
⑤はフランクルのいう人生の意味におけるコペルニクス転回
⑥は、求めれば苦しみ、手放せば喜びが、という人生の究極的逆説let It Go♪
ということができます。
そしてこれらは、神谷美恵子さんのいう「価値体系の変革」であるといえます。

そのように考えておりましたが、今朝これらはすべて実は「立ち位置」なのではないかとふと思いました。

グレッグ・グッドのSTANDING AS AWARENESS(「気づきの側に立ってみたらどうなるんだろう」)という本を読んでいたせいかもしれません。

もちろん以前からも立ち位置が重要であるとはよく考えていました。

2009年のお正月に書いた書初めはRest as the Witnessでした。

価値観の転換というと、大切にしていること、あるいは大切にしているものが変わることであろうと思われますが、そのように変わるためには、立ち位置を変えるべし、と思ったのです。

立ち位置を変える。

あなたはどこに立っているのか?

あなたは何処に立ち、何を見ているのか?

あなたとはいったい何なのか?

あなたとはいったい誰なのか?
・・・

自分はいったい何処に立っているのだろうか?

何かがうまくいかない時、自問してみたいと思います。