元日のブログで「さらにこの大きなヘキサ・キューブ形の中には、無数の小さなヘキサ・キューブがぎっしり詰まって並んでいると想像する。」と書いた。
これをもう少し、華厳経の世界観であるインドラ網、そして入れ子状のフラクタル構造(注1)を取り入れて表現できないかと、この数日試行錯誤していた。
(注1)
フラクタルとは、一つのもののなかに無限の繰り返しが含まれていて、細かく見ていくとそこにはいくらでも相似形の個が出てくるけれども遠くから見れば一つの個に見えるという幾何学的世界観のことです。それと同じく、一微塵の中には、無限の宇宙が存在していて、同時に無限の宇宙は一微塵と同じであるというのが「一即多・多即一」で表現される華厳経の世界観です。(『100分de名著 集中講義 大乗仏教』佐々木閑著)
一番下の図で…黄色の線で描かれたヘキサ・キューブのなかに、緑のヘキサ・キューブを並べた。7個を並べると興味深いことにハニカム構造(注2)になった。
6つのコーナーそれぞれに隙間が空いているように一見されるが、平面六角形としては隣接の六角形と3分の1を共有しており、立方体としてサイコロのように積み上げてみても空間はあるが、隙間があるのではないことが分かる。
緑のヘキサ・キューブの中にも、さらに小さな黒のヘキサ・キューブがまた七個収まっている。そして黒のヘキサ・キューブの中に赤のヘキサ・キューブが7個入っている。この構造は大から小へ、小から大へと無限に続く。そしてすべての要素は繋がって、より大きな全体を構成している。
(注2)
「ハニカム」とは英語でhoneycomb。蜂の櫛という意味になりますが、多くの蜂の巣がこのような構造をしていることからこう呼ばれるようです。材料効率がよく柔軟性に優れた構造であることが知られています。
中央の緑のヘキサ・キューブを「自己」として想定してみよう。とするなら隣接する緑のヘキサ・キューブは「他者」だ。緑(自己)のヘキサ・キューブのなかにある黒のヘキサ・キューブは、隣接している「他者」としてのヘキサ・キューブを(相似形として)映し出したものであると理解される。「自己」は、「他者」を内に包含して存在し、同時に「他者」にも包含されている。それはまさしく「インドラ網」だ。
数日前、結婚式に参列する機会があった。
少なくともそこに集った人々は新郎の、そして新婦の中に、「縁」の大きな「他者」として存在しているから招かれたのであろう。しかし参列はしなくとも大きな「縁」のある「他者」もいるだろう。亡くなってなお新郎新婦の中に存在している「他者」もいるはずだ。
そこに招かれた「他者」の中にも、彼/彼女なりの「縁」によって結びついた多くの「他者」が存在しているだろう。参列者のその「縁」は新郎新婦が「知らない他者」まで大きく広がっているはずだ。するとその「知らない他者」もまた新郎新婦の中で間接的に存在することになる。「縁組」とは、両家だけでなく、そうした二人の2大ネットワークが結合することでもあるのだ。
おおっ、結婚!