ウィルバー哲学に思う

「統合」の哲人ケン・ウィルバーを中心に、仏教心理学的視点を取り入れたマインドフルネス、第三世代の認知行動療法ACT、複雑系や脳科学的なアプローチも加味し、「生命の躍動」の探求、心理哲学的な関心について綴っています。苦悩を乗り越えるヒント、自己実現、自己超越を促す一助となれば幸いです。

役割取得能力レベル0の補足

過去のブログで取り上げた「セルマンの役割取得能力の発達段階」のうち3歳~5歳の自己中心的役割取得能力に関して、質問がありましたので下記に補足しておきます。

Interpersonal知性と、セルマンの役割取得能力 - ウィルバー哲学に思う


レベル0の説明を『VIFによる思いやり育成プログラム』からもう少し詳しく引用しますと・・・

レベル0:自己中心的役割取得(3〜5歳)
 自分と他者の視点を区別することがむずかしい。同時に、他者の身体的特性を心理面と区別することがむずかしい。
     
自分と他人の区別が未分化で、自分についての概念も、性格や内面的な心情や価値観によるものではない。「わたしは…が好き」とか「わたしは…を持っている」といった好き嫌いや所有物によって自分を説明する。キティちゃんの服を着ているからやさしいとか、サッカーの服を着ているからサッカーが好きといったように外見的特徴と気持ちを混同することが多い。また、自分がサッカーを好きだから友達の誕生日にサーカーボールをあげたいという気持ちをもったりする。友達はサッカーがきらいかもしれないという想像はまだしていない。
自分が好きだから友達も好きといった思考なのである。
したがってこの時期にわがままであるとか人の気持ちが分かっていないといった評価で叱りつけるのはよくない。特に3歳までの子に「弟や妹の気持ちがわからないの」「お兄(姉)ちゃんでしょ」といった非難するだけの接し方は心に響かない。ただ自分を否定された、愛情を下の子に取られたという思いを強くするだけである。



と書かれています。

ありがちな親の態度かもしれませんね。気をつけたいと思います。といっても、私の場合、もう子どもは成人しているので孫(?)に対してということになるかもしれませんが(笑)