ウィルバー哲学に思う

「統合」の哲人ケン・ウィルバーを中心に、仏教心理学的視点を取り入れたマインドフルネス、第三世代の認知行動療法ACT、アドラー、ポジティブ心理学など、複雑系や脳科学的なアプローチも加味し、「生命の躍動」の探求、心理哲学的な関心について綴っています。

私たちは勘違いしていた


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               (2021年1月1日、モーニングショーより撮影)

 

私たちは勘違いしていた。

「今」とは、過去と未来に挟まれた刹那であると。

 

であるから

今ここを軽んじ、

こころは先へ先へ、あるいは前へ

彷徨う。

 

しかし、そうではなかった。

〈今〉とは、過去を含み未来を孕んでいる「永遠」であった。

 

過去も未来も〈今〉にあることを自覚せよ。




私たちは勘違いしていた。

「私」とは、考えたり感じたりしている自分であると。

 

うまく考えがまとまらなかったり、感情に圧倒され、自己嫌悪に陥るのも、そのせいである。

 

しかし、そうではなかった。

〈私〉とは、思考を観るものであり、感情に気づいている「見者」であった。

 

苦しいとき、思い出そう。

〈私〉は思考でも、感情でも、欲求でもない。それらを目撃する者であると。




私たちは勘違いしていた。

「世界」とは、厳然とそこにあり、私はその中にいると。

 

であるから、世界はよそよそしく、疎外する。

 

そうではなかった。

この〈世界〉は、私という存在とセットなのであり、また私の意識の中で生起するものである。

 

まさに世界は恋人、世界は私なのだ。




そしていま、

複雑系として振る舞う創造的進化の原動力として〈生命〉を思う。

 

本年もどうぞよろしくお願いいたします。m(__)m

 

(2月17日追記)

私たちは勘違いしていた。

そう、いのちは一つ ♪ と思っていた。

加川良の名曲 ♪『教訓Ⅰ』のように)

 

しかし、それだけではなかった。

「生命体としての宇宙」として

Elan Vital として

Spirit in Action として

生命は、本当にひとつ、なのであった。