ウィルバー哲学に思う

「統合」の哲人ケン・ウィルバーにはじまり、仏教心理学的視点を取り入れたマインドフルネス、第三世代の認知行動療法ACT、アドラーなど、複雑系や脳科学的なアプローチも加味し、心理哲学的な関心について綴っています。

マインドフルネス・ムーブメントが日本に?

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2016年8月5日発行の精神療法~特集マインドフルネスを考える、実践する~が本日届きました。

寄稿されている先生方のうち、名前を存じている方も多く、書籍を読んだり、勉強会で取り上げたり、直接学んだりした内容もあってたいへん興味深いです。

まず、「特集にあたって」は森田療法研究所の北西憲二さん。

これによると、昨年11月8日に東京大学で行われた公開講座「日本文化と心理療法―禅やマインドフルネスとの関連に注目して」に多くの反響があったのだといいます。

そして「マインドフルネスとあるがまま」という題でも、森田療法とマインドフルネスの関係などについて書かれています。

私どもも昨年度の終盤に森田療法の勉強会を行いました。小児がんの喪失家族の方を対象としたのですが、そのテキストには北西先生の「森田療法のすべてがわかる本」を使いました。何とかしようと、もがけばもがくほど身動きができなくなる様を「繋驢桔」(けろけつ:桔(杭)につながれたロバのこと)と表現するそうで、ロバが縄で動けなくなった姿がイラストで分かりやすく書かれていたのを思い出します。
(ACTでは、流砂にはまり込んだ時にもがいてはいけない。もがくのではなく大の字になるのが良い、という話が出てきますがそれに通じるものがあります)

「不即不離」という対人関係のフローを実現する - ウィルバー哲学に思う

マインドフルネスと無心」という題で書いているのは曹洞宗国際センターの藤田一照さんです。

欧米ではmindfulness movement(マインドフルネス運動)と呼ばれるほど大きな盛り上がりを見せていること、日本にもそのうねりがようやく届いて2010年に日本マインドフルネス協会、2013年に日本マインドフルネス学会が設立されたといいます。

藤田さんはこのブログでも「青空としてのわたし」で取り上げたことのある山下良道さんと共著で「アップデートする仏教」という本を出されていて、興味深く拝読したことがあります。

青空としてのわたし - ウィルバー哲学に思う

マインドフルネスが心理療法にもたらすもの―内観療法との関係から」の稿を書かれたのは東京大学大学院臨床心理学コースの高橋美保さんです。
高橋美保さんは東大に公開講座の企画をされた方とのこと。内観療法とマインドフルネスの相違や共通点を体験にもとづいてまとめられています。
じつは私も内観療法を15年ほど前に受けた経験があります。いつも小児がん脳腫瘍全国大会でお世話になっている三木善彦先生が奈良で内観研修所をされていて、暑い夏にエアコンのない部屋で7日間泊まり込んで内観をさせていただきました。今となっては懐かしい思い出です。

マインドフルネス・ストレス低減法について書かれたのは高野山大学の井上ウィマラさんです。翻訳書「呼吸による癒し―実践ヴィパッサナー瞑想」は9年前ぐらいに読ませていただき、「気づく」とはこういうことをいうのかと、深めることができました。

呼吸を日常生活の気づきに利用する - ウィルバー哲学に思う

ACTについては、原井宏明さんが「マインドフルにみたアクセプタンス&コミットメント・セラピー」という題で述べておられますが、内容は難しそうです。

貝谷久宣さんの連載記事もあります。著書「マインドフルネス・瞑想・坐禅の脳科学と精神療法」は、神谷美恵子さんを知るきっかけになった本です。

変革体験によってもたらされるPTG - ウィルバー哲学に思う

ざっとこんな感じですが、これから読み進めて、またこのブログで紹介させていただきます。生きかた「知縁」カフェの参考書としても使っていきたいと思います。